芸能

【オードリー・ヘプバーン没後30年】「お手製のパスタで食事して……」親交深かった日本人女性が明かすその素顔

1983年、初来日したオードリーと談笑する加藤タキさん(写真/本人提供)

1983年、初来日したオードリー(左)と談笑する加藤タキさん(写真/本人提供)

 アカデミー主演女優賞を受賞した『ローマの休日』(1953年)をはじめ、ハリウッド黄金時代を代表する女優の一人であるオードリー・ヘプバーンが亡くなってから今年で30年。映画だけでなくファッションでも世界が憧れるアイコンとして知られるヘプバーンは、どんな人物だったのか。親交が深かったコーディネーターの加藤タキさんに、その素顔について聞いた。

 * * *
 初めてお会いしたのは1971年。日本企業のウィッグCMでコーディネーターとしてローマの自宅を訪ねた時でした。ツタの生えたレンガ造りのアパートメントで、大きな木の扉を「コンコン」とノックすると、エレガントなワインカラーのニットワンピースを着たオードリーが両手を広げて「ウェルカム! あなたがタキね」と迎えてくれました。

 日本から訪れたスタッフは15人ほどだったのですが、それぞれが自己紹介をすると次の瞬間から「Yes, Mr. Yamazaki」「Yes, Mr. Takahashi」と一瞬で名前を覚えていたことに驚きましたね。衣装は本人私物でお願いしていたのですが、何パターンもコーディネートを作って準備してくれていたことにもびっくり。後にも先にも、こんな女優さんはいなかったです。

 大女優だけど私たちと変わらない感覚を持っている人。そして相手がどうしたら喜ぶか、心くばりができる真心あふれる人でした。

 1982年、10年ぶり2回目のCM撮影で再会したのをきっかけに、彼女との親交が深まりました。ローマのレストランで食事をしたり、オードリーの自宅でほうれん草のパスタやエビのサラダをご馳走になったり、彼女の恋人のロバート・ウォルターズと3人で語り明かしたり……。

 東京音楽祭のために来日していた俳優のグレゴリー・ペックと彼女の来日のタイミングが偶然重なったので、2人を電話でつないだこともありましたね。電話の第一声は決まって「Hello, Taki! This is Audrey」でした。ちょっと低くて、抑揚のある言い方。彼女の声はいまでも耳に残っています。

 オードリーとの思い出が鮮明なのは、彼女がどんな人にも愛情を注いでいたから。私にそうしてくれたように、世界中の人に感動をもたらしたからこそ、愛され続けているのでしょう。

取材・文/辻本幸路

※週刊ポスト2023年11月17・24日号

関連記事

トピックス

大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン
イセ食品グループ創業者で元会長の伊勢彦信氏
《小室圭さんに私の裁判弁護を依頼します》眞子さんの“後見人”イセ食品元会長が告白、夫妻のアパートで食事した際に気になった「夫としての資質」
週刊ポスト
ブラジルの元バスケットボール選手が殺人未遂の疑いで逮捕された(SNSより、左は削除済み)
《35秒で61回殴打》ブラジル・元プロバスケ選手がエレベーターで恋人女性を絶え間なく殴り続け、顔面変形の大ケガを負わせる【防犯カメラが捉えた一部始終】
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
《ルフィ事件》「腕を切り落とせ」恐怖の制裁証言も…「藤田は今村のビジネスを全部奪おうとしていた」「小島は組織のナンバー2だった」指示役らの裁判での“攻防戦”
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月12日、撮影/横田紋子)
《麗しのロイヤルブルー》雅子さま、ファッションで示した現地への“敬意” 専門家が絶賛「ロイヤルファミリーとしての矜持を感じた」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ツアーに本格復帰しているものの…(左から小林夢果、川崎春花、阿部未悠/時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫》川崎春花、小林夢果、阿部未悠のプロ3人にゴルフの成績で “明暗” 「禊を済ませた川崎が苦戦しているのに…」の声も
週刊ポスト
三原じゅん子氏に浮上した暴力団関係者との交遊疑惑(写真/共同通信社)
《党内からも退陣要求噴出》窮地の石破首相が恐れる閣僚スキャンダル 三原じゅん子・こども政策担当相に暴力団関係者との“交遊疑惑”発覚
週刊ポスト
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
【「報道特集」での発言を直撃取材】TBS山本恵里伽アナが見せた“異変” 記者の間では「神対応の人」と話題
NEWSポストセブン