コーイケルホンディエはオランダでカモ猟に使われていた小型の猟犬がルーツ。俗にコイケルホンド、コイケル(イメージ、dpa/時事通信フォト)
さらに彼らには、飼い主の身体的健康や精神的な健康を向上させるという心理的効果があることがわかっている。人は犬や猫と触れ合うことで、「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが多く分泌されるのだ。このホルモンが分泌されると、ストレスや不安が軽減され心が安らぐという。最近の研究では、人と犬が見つめ合うことで、双方にこのホルモンが増えるという結果も出ている。MVPの発表中継で愛犬と触れ合っていた大谷選手は、史上初になるかどうかの発表だというのに、リラックスモードのままほのぼのした表情を見せていた。おそらくあの時、彼の内では幸せホルモンが放出されていたのだろう。大谷選手がそんな表情を見せるものだから、視聴者もファンもますます仔犬の可愛さに釘付けになった。
だが問題も発生しているようだ。大谷選手と同じ犬種の犬が欲しいと、ブリーダーへ仔犬の予約や問い合わせが殺到しているという。コイケルは確かに可愛い。だがもとは猟犬としての歴史を持つ犬だ。それだけに躾やトレーニングは難しく、運動量は多い。それなりの環境が必要なのだ。抜きんでた能力があるだけでなく、人一倍の努力を積み重ねられる大谷選手だからこそ、気難しいと言われるコイケルを難なく可愛がることができるのだろう。