東京藝術大学は上野公園内にキャンパスを構えている。そうした関係から京成と協定を締結。そして、同駅は2018年に東京都選定歴史的建造物にもなった。鉄道施設が東京都選定歴史的建造物になるのは初めてのケースだった。この改修直後、博物館動物園駅は地元の台東区・京成電鉄・東京藝術大学で組織される上野文化の杜新構想実行委員会によって、駅舎内部でアートイベントを開催された。当時、筆者は同イベントに先立って実施された報道公開で駅舎内を取材している。
報道公開で足を踏み入れると、長い眠りについていた博物館動物園駅の構内は廃止後から時間が止まっているような印象を受けた。そうした空間に対して、筆者は幻想的かつ歴史的ロマンを感じた。しかし、同駅はイベント空間として決して広いスペースではない。それゆえに、イベントで多くの人を集めるには工夫が必要になると感じた。
その後も京成は断続的に博物館動物園駅の構内でイベントを実施。このように博物館動物園駅は廃止されながらも、さまざまなイベントで利活用されてきた。今回の「コラボ記念限定キーホルダー付き入場券」の販売も駅利活用の一環といえるだろう。
廃駅ホームに降りられる基準は?
2018年に実施されたアートイベントでは駅内部をひとつの展示空間として使用したが、改札からホーム階へと降りる階段の踊り場にはガラス戸が設置されていた。そのため、イベント参加者はホームまで降りることができなかった。
京成は2018年以降に不定期ながら博物館動物園駅構内で数多くのイベントを開催し、そのなかにはホームまで降りることができたイベントもあった。
今回の「コラボ記念限定キーホルダー付き入場券」は駅構内に入場できるものの、ホームまで降りることはできなかった。ホームまで降りることができれば、通過する電車を間近で見ることができるので、「コラボ記念限定キーホルダー付き入場券」の購入者が爆発的に増えたことは間違いない。