ライフ

キャンプ用品、慌てて買った消毒剤など コロナ禍に購入した様々な必需品が「負の遺産」化

リビングルームの一角にリモートワーク用スペースを整えた(イメージ)

リビングルームの一角にリモートワーク用スペースを整えた(イメージ)

 新型コロナウイルスの感染拡大によって緊急事態宣言が発令されたとき、家の大掃除に着手して、それまで処分できずにいた様々なものを捨てた人が多かった。そのおかげですっきり暮らせているという体験談を語る人もいたくらいだったのだが、あれからしばらく経ち、行動制限がなくなりマスク着用する場面も減ってきたいま、新しい不要なものが積み上がり、人々を悩ませている。ライターの宮添優氏が、コロナ禍の間に生まれた新しい不要品問題についてレポートする。

 * * *

 インフルエンザが流行し、世の中を見渡せばマスク姿が再び増えている。とはいえ「コロナ禍」はもはや過ぎ去った、と感じている読者も多いはずだ。週末、さらに年末となった居酒屋は客で溢れ、観光地も外国人や日本人の観光客で混雑という以前の「日常」とほぼ変わらない生活が戻った。

 そうした時にふと思い出されるのが、コロナ禍のもと「絶対に必要だ」と考え、整えた生活のあれこれ、である。例えば、今どこかにうず高く積み上がっているモノなどないだろうか。

リモートワーク用スペースは今

「全く不要なスペースでした。リビングからも丸見えなので、物置としても使えない。でもまあ、結局は、子供の脱ぎっぱなしの服や折込チラシが積み上がっていましてね(笑)」

 こう話すのは、コロナ禍真っ只中に新築の注文住宅を購入した都内在住の藤木豊彦さん(仮名・40代)。会計事務所勤務だったが、出勤が週に1日程度、残りは全てリモートワークになったことから、新築のタイミングでリビング横に3畳ほどの「ワークスペース」を設置したという。

「建築会社も設計士も、これからの時代は絶対に必要になると言うので、まあ俺も”そうだな!”なんて思っちゃったんでしょう。使ったのは2~3回。リビングの音が丸聞こえだからビデオ会議はできないし、何しろ集中できないから仕事ができない。そのうち、出社が必須に戻っちゃって、子供たちが勉強机に使うだろうと思っていたら、今は脱ぎっぱなしの服やチラシとか、そんなのがドッサリ。吹き抜け式だから見えているのも嫌で、布で隠してます」(藤木さん)

 コロナ禍に計画がすすみ建てられた新築住宅では、ワークスペースの他に、帰宅直後にすぐ手洗いができるよう、玄関に手洗い場を設置する物件も増えた。この手洗い場について都内の大手工務店関係者によれば、多くの家庭では「衛生的だ」と評判がよいらしいが、一部で「全く使わない」「邪魔」だと、すっかり無用の長物と化している家庭もあると話す。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今年もMVPの最有力候補とされる大谷翔平(写真/Getty Images) 
《混迷深まるハワイ別荘訴訟》「大谷翔平は購入していない」疑惑浮上でセレブ購入者の悲痛、“大谷ブランド”を利用したビジネスに見え隠れする辣腕代理人の影
女性セブン
志穂美悦子との別居が報じられた長渕剛
《長渕剛・志穂美悦子についに別居報道》過去の熱愛スキャンダルの時も最後に帰った7億円豪邸“キャプテン・オブ・ザ・シップ御殿”…かつては冨永愛が訪問も
NEWSポストセブン
死因は上半身などを複数回刺されたことによる失血死だった(時事通信フォト)
《神戸女性刺殺》谷本将志容疑者が被っていた「実直で優秀」という“仮面” 元勤務先社長は「現場をまとめるリーダーになってほしかったくらい」と証言
週刊ポスト
「部員は家族」と語ってきた中井哲之監督だが…(時事通信フォト)
“謝罪なし対応”の広陵高校野球部、推薦で入学予定だった有力選手たちが進路変更で大流出の危機 保護者は「力のある同級生が広陵への進学をやめると聞き、うちも…」
週刊ポスト
還暦を過ぎて息子が誕生した船越英一郎
《ベビーカーで3ショットのパパ姿》船越英一郎の再婚相手・23歳年下の松下萌子が1歳の子ども授かるも「指輪も見せず結婚に沈黙貫いた事情」
NEWSポストセブン
ここ数日、X(旧Twitter)で下着ディズニー」という言葉波紋を呼んでいる
《白シャツも脱いで胸元あらわに》グラビア活動女性の「下着ディズニー」投稿が物議…オリエンタルランドが回答「個別の事象についてお答えしておりません」「公序良俗に反するような服装の場合は入園をお断り」
NEWSポストセブン
志穂美悦子さん
《事実上の別居状態》長渕剛が40歳年下美女と接近も「離婚しない」妻・志穂美悦子の“揺るぎない覚悟と肉体”「パンパンな上腕二頭筋に鋼のような腹筋」「強靭な肉体に健全な精神」 
NEWSポストセブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《還暦で正社員として転職》ビッグダディがビル清掃バイトを8月末で退職、林下家5人目のコンビニ店員に転身「9月から次男と期間限定同居」のさすらい人生
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された佳子さま(2025年8月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《日帰り弾丸旅行を満喫》佳子さま、大阪・関西万博を初訪問 輪島塗の地球儀をご覧になった際には被災した職人に気遣われる場面も 
女性セブン
侵入したクマ
《都内を襲うクマ被害》「筋肉が凄い、犬と全然違う」駐車場で目撃した“疾走する熊の恐怖”、行政は「檻を2基設置、駆除などを視野に対応」
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 大谷翔平「賭博トラブル」の胴元が独占告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 大谷翔平「賭博トラブル」の胴元が独占告白ほか
NEWSポストセブン