オホーツク寒中水泳にて(写真/丸山弁護士提供)
敵は同じ党内の利権団体候補
一言いうと、僕のような参議院全国比例の候補者は、90%が組織団体の代表者として立候補しているんです。たとえば郵便局(郵政)、医師会、農協、自衛隊、看護協会、土木団体、歯科医師会などがバックにいて、候補者の面倒を全部見て、金集めも票集めもするんです。彼らには何十万、何百万という構成員が背後にいるうえ、全国で金集めしています。だから上位の票を集めるのは郵政と農協が支援する候補、と相場が決まっています。
ところが、私の場合はまったく何の組織もバックにない、ただの弁護士で、「俺は丸山だ」と単身で呼ぶだけで全国を相手に闘うんですよ。そして、同じ自民党内の全国比例代表候補者同士で票の取り合いするんです。そのうえで、得た票数の多い順に当選する仕組みなんです。だから、敵は同じ党内の同じ比例代表候補者、それも先程言った組織、団体の候補者なんです。
自分は刀一本で、向こうは戦車に機関銃みたいなもんなんですよ。同じルールの選挙とは言えないのが実情です。まあ、こんな刀一本で、組織にも金にも一切頼らず、2回もよく当選したのはあっぱれなんですよ(笑)。ほかに誰かやれましたか?
(第2回に続く)
◆取材・文/中野裕子 撮影/山口比佐夫