また上顎の歯から細菌が上顎洞に入り込み、炎症を起こし、膿がたまる歯性上顎洞炎も多い。この場合、原因となった歯の治療を併用することが重要となる。
注意したいのは白血球の一種である好酸球が、鼻茸に集まってしまう好酸球性副鼻腔炎が増えていること。この病気は複数のポリープができ、難治性で再発を繰り返す性質もあって難病指定されている。
「好酸球性副鼻腔炎の患者さんはステロイド薬の内服でポリープが縮むため鼻の通りがよくなり、嗅覚も一時的には戻りますが、ステロイド内服を止めるとポリープが再発します。再発を繰り返しやすい中等症から重症の場合、内視鏡手術が有効と考えられています」(中村医師)
その内視鏡手術の詳細については次号にて。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2024年1月26日号