ライフ

鼻づまりが3か月以上続いたら要注意 危険な「慢性副鼻腔炎」の可能性も

慢性副鼻腔炎の国内患者数は100~200万人いるといわれる(イラスト/いかわやすとし)

慢性副鼻腔炎の国内患者数は100~200万人いるといわれる(イラスト/いかわやすとし)

【週刊ポスト連載・医心伝身】副鼻腔の炎症で、鼻漏や鼻づまりなどの症状が12週以上続くのが慢性副鼻腔炎だ。蓄膿症といわれる膿がたまる副鼻腔炎と、ポリープ(鼻茸)ができるタイプがあり、原因や治療法も違う。この20年来、国内では鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎が増加中だ。蓄膿症は抗生物質を3~6か月服用する薬物療法が効果をあげ、鼻茸では鼻の穴からアプローチする内視鏡手術も実施されている。

 副鼻腔は左右の頬っぺたの奥にある上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞、前頭洞の総称のこと。副鼻腔炎とは副鼻腔に炎症が起こる病気で、鼻漏や鼻づまり、嗅覚障害(臭いがわからない)、頭重感、後鼻漏(喉に鼻水が流れ込む)などが主な症状となる。12週以上症状が続くものを慢性副鼻腔炎といい、国内の患者数は100~200万人と推計されている。

 慢性副鼻腔炎には大きく分けて2つある。一つが副鼻腔に膿(黄色い鼻水)がたまる蓄膿症と、ポリープができる副鼻腔炎だ。

 蓄膿症は風邪やコロナ感染後に発症することが多く、少量のマクロライド系抗生物質を3~6か月ほど長期服用することで改善するケースが多い。しかし、副鼻腔の排泄路がつまってしまい、膿が滞留するなどの場合には手術で膿を取り除くこともある。順天堂大学医学部附属順天堂医院耳鼻咽喉・頭頸科の中村真浩医師に話を聞いた。

「もう一つのポリープを伴う慢性副鼻腔炎の発症原因はまだ解明されていませんが、大気汚染物質や黄色ブドウ球菌、真菌(カビ)などの病原微生物、蛋白分解酵素など外界からの刺激によって免疫応答が起こり、ポリープができるのではないかと考えられています。このポリープを伴う副鼻腔炎は先進国で発症が多く、日本でも1990年代後半から増加傾向にあります」

 他にも副鼻腔疾患として真菌性副鼻腔炎があり、空中に漂っているカビの胞子が副鼻腔で増えることで発症する。通常、カビの胞子は粘膜の抵抗力で押し流されるのだが、持病や加齢などのため免疫機能が低下すると、排除することができずに副鼻腔の中で増殖する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
実業家の宮崎麗香
《セレブな5児の母・宮崎麗果が1.5億円脱税》「結婚記念日にフェラーリ納車」のインスタ投稿がこっそり削除…「ありのままを発信する責任がある」語っていた“SNSとの向き合い方”
NEWSポストセブン
出席予定だったイベントを次々とキャンセルしている米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子が“ガサ入れ”後の沈黙を破る》更新したファンクラブのインスタに“復帰”見込まれる「メッセージ」と「画像」
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン
峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
2025年11月には初めての外国公式訪問でラオスに足を運ばれた(JMPA)
《2026年大予測》国内外から高まる「愛子天皇待望論」、女系天皇反対派の急先鋒だった高市首相も実現に向けて「含み」
女性セブン
夫によるサイバーストーキング行為に支配されていた生活を送っていたミカ・ミラーさん(遺族による追悼サイトより)
〈30歳の妻の何も着ていない写真をバラ撒き…〉46歳牧師が「妻へのストーキング行為」で立件 逃げ場のない監視生活の絶望、夫は起訴され裁判へ【米サウスカロライナ】
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト