芸能

山口智子が明かす“同世代女性の憧れ”であることへの苦悩「こんな私でいいのだろうかと、ずっと自信が持てなかった」

山口智子

かつては人気女優でありながらも「ずっと自信が持てなかった」と語った山口智子

 1988年に『純ちゃんの応援歌』でデビューして以来、“女性が憧れる俳優”として、その折々で注目を集めてきた山口智子は、今年10月に還暦を迎える。最近ではYouTubeチャンネルを開設するなど、新たな一面を見せる山口へのロングインタビュー。第2回では、これまでの足跡について聞いた。【全3回の第2回。第1回を読む

 生家は栃木県の老舗旅館。一人娘の山口は、家業を継ぐことを宿命づけられていた。子供の頃から配膳などの手伝いをしていたという環境の中で、小学生のときに夢中になったのが、紀行番組『兼高かおる世界の旅』(1959〜1990年、TBS系)だった。

「世界中の面白い文化を、兼高さん特有のチャーミングな語り口で紹介してくださって、世界にはまだまだ知らない感動が溢れている、いつか大人になったら世界中を旅してみたいと、漠然と夢見ていました」(山口・以下同)

 すんなりと家業を継ぐことに葛藤を抱えていた山口は、高校卒業後、家族を説得して東京の短大に進学。在学中にスカウトされ、宿命に抗うように1986年からモデル活動を始めた。

「当時の東京はバブル期で、テレビ界は本当にユニークで面白い大人たちがいっぱいいた。スケールの大きなアイディアで世間をあっと言わせる企画もたくさんあって、大人が本気で遊びながら作るエンターテインメントにゾクゾクした。そんな未知なる世界との出会いはとても刺激的でした。

 一方で、いつかは地元で家業を継ぐ宿命だから、自分の夢を描いてはいけないと、心に蓋をしていた感じです」

 ところが、1988年、NHK連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』のオーディションでヒロイン役を獲得。これを機に、故郷に帰らず俳優になることを決意した。

 1990年代に入ると、『ダブル・キッチン』(1993年、TBS系)、『29歳のクリスマス』(1994年、フジテレビ系)などの話題作に出演し、“高視聴率の女王”と称されるまでに。

 役柄のイメージも手伝い、スタイリッシュで明るく、サバサバとしたイメージの山口は、同世代女性の憧れの対象となっていった。

 しかし、その陰で、人知れず迷いや悩みが膨らんでいたという。

「自分の将来に関して思考停止したまま芸能界に飛び込んでしまったので、こんな私でいいのだろうかと、ずっと自信が持てなかった。演技の仕方もわからず、いただいた仕事に全力で向かっていくことしかできませんでした」

 どうしたら俳優としてレベルアップできるか? そう自問する中で、「もっと“人間”というものを勉強したい」と考えるようになった。

「30才で結婚して『ロングバケーション』(1996年、フジテレビ系)を演じ終えて一息ついた頃、そうだ、子供の頃、世界を見たいという夢を描いていたなと、ふと思い出しました。世界をもっと知りたい! いろいろな人に出会いたい!という思いが湧き起こり、旅立たずにはいられませんでした」

 そして、海外のアートや文化を探る映像企画など、旅を主軸にした活動へと切り替えていったという。

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
「城島さん、松岡さんと協力関係は続けていきたいと思います」福島県庁「TOKIO課」担当者が明かした“現状”と届いたエール
NEWSポストセブン
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
【「報道特集」での発言を直撃取材】TBS山本恵里伽アナが見せた“異変” 記者の間では「神対応の人」と話題
NEWSポストセブン
蝦夷富士という名前もある羊蹄山(イメージ)
《ブローカーが証言》中国人らが日本の不動産取得でもくろむ乱暴な開発計画 「日本の役人は言うだけで実力行使はしないと聞いている」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビー服は男の子のものでは?》眞子さん、夫・小室圭さんと貫く“極秘育児”  母・佳代さんの「ラブコール」も届かず…帰国が実現しない可能性も
NEWSポストセブン
吉沢亮演じる喜久雄と横浜流星演じる俊介が剣幕な表情で向かい合うシーンも…(インスタグラムより)
“憑依型俳優”吉沢亮主演の映画『国宝』が大ヒット、噂される新たな「オファー」とは《乗り越えた泥酔事件》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“半日で1000人以上と関係を持った”美女インフルエンサー(26)がイギリスの公共放送で番組出演「口をすぼめて、吸う」過激ビジュアル
NEWSポストセブン
映画『国宝』で梨園の妻を演じた寺島しのぶ(52)
《無言の再投稿》寺島しのぶ、SNSで2回シェアした「画像」に込められた歌舞伎役者である息子・尾上眞秀への“覚悟”
NEWSポストセブン
元横綱・白鵬の宮城野親方に相撲協会はどう動くか(八角理事長/時事通信フォト)
八角理事長体制の相撲協会に「70歳定年制」導入の動き 年寄名跡は「105」しかないため人件費増にはならない特殊事情 一方で現役力士が協会に残ることが困難になる懸念も
NEWSポストセブン
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン