(番組公式サイトより)

第4話「既読スルーしちゃダメですか?」は16日金曜夜10時に放送予定(番組公式サイトより)

攻めていけばまだテレビは面白くなる

 実はBPOは以前から「私たちはバラエティー番組が萎縮することを望んでいない」「『何をやってもいいし、何でもあり』の心意気を失わないでほしい」とも表明し、「単なる事なかれ主義に堕したコンプライアンス強化など、邪魔なのだと蹴飛ばすことができるかどうか」が課題だと放送局に伝えてきた(放送倫理検証委員会委員会決定2009年11月17日)。残念なことにインターネット時代の到来でメディアが多様化する一方で「事なかれ主義」が蔓延してテレビは輝きを失いつつある。

 どちらの番組も共通するのは「攻め」の姿勢だ。

 かつては“攻めるメディア”だったテレビ。それがいつしか“守り”に入ってしまった。自ら考えなくなってしまった。思考停止のマニュアルやコンプライアンスのオンパレード。それがテレビをさらにツマラナイものにした。攻めていけばまだテレビは面白くなる。そのことの手応えを2つの番組は教えてくれる。

 テレビがかつて持っていた輝きを取り戻すためのヒントがここにはある。

【プロフィール】
水島宏明(みずしま・ひろあき)/1957年北海道生まれ。札幌テレビで生活保護の矛盾を突くドキュメンタリー『母さんが死んだ』や准看護婦制度の問題点を問う『天使の矛盾』を制作。ロンドン、ベルリン特派員を歴任。日本テレビで「NNNドキュメント」ディレクターと「ズームイン!」解説キャスターを兼務。『ネットカフェ難民』の名づけ親として貧困問題や環境・原子力のドキュメンタリーを制作。芸術選奨・文部科学大臣賞受賞。2012年から法政大学社会学部教授。2016年から上智大学文学部新聞学科教授(報道論)。放送批評誌「GALAC」前編集長。近著に『メディアは「貧困」をどう伝えたか 現場からの証言:年越し派遣村からコロナショックまで』(同時代社)、『内側から見たテレビ─やらせ・捏造・情報操作の構造─』(朝日新書)、『想像力欠如社会』(弘文堂)。

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