(TVerより)

2月11日放送の『ワイドナショー』はBPOによる問題提起を正面から議論(TVerより)

 

自虐のハゲネタは放送してはいけないのか?

 2月11日の『ワイドナショー』(以下、『ワイドナ』)は、若手漫才師のコンテスト番組であるコンビの「ハゲネタ」(頭髪が薄い人を揶揄する言葉を連発したネタ)に批判的な意見がBPO(放送倫理・番組向上機構)に寄せられたことを取り上げた。

 BPOの青少年委員会に視聴者からネタに批判的な意見が多数寄せられたことや担当委員から「ルッキズム批判という形での意見がしばしば集まってくる」「特定の番組を対象としなくても何らかの話し合いが必要になる可能性が出てくるかもしれない」と指摘があったとBPOの議事録にも載っている。

 批判を受けた芸人コンビはM-1グランプリのファイナリストになったシシガシラ(浜中英昌、脇田)だ。番組では実際に2人に漫才を演じてもらい、視聴者の批判に対して脇田がこう釈明した。

「(M-1グランプリの)僕らがやった決勝ネタはスチュワーデスさんとか、いくつか単語を言って『それは今は言っちゃダメなんですよ』と言われて、『そんなんだからただのハゲですよ』と言われて、『あー、そうだね……ハゲは言っていいの?』と。いっぱいルールが多すぎるよとそっちのほうをいじった漫才だった。その外側を見て『ハゲをいじる漫才』と捉えられてしまったのも、僕らの技術不足もある」

 今後についても他のネタをやることは考えられず「ハゲ(ネタ)しかない」と2人は口を揃える。「これをきっかけに世論も巻き込まれていただいて、こういうのを考えるきっかけになってくれれば、という思いもちょっとあります」と脇田は語ったが、番組そのものがこの問題に一石を投じようとしていた。

『ワイドナ』はフジテレビが製作した番組だが、芸人の側だけでなくフジ側の迷いも率直に放送されていた。シシガシラはフジの制作者から「ハゲネタ以外も(やってほしい)」と言われたことがあると告白した。自らも髪が薄いことをネタにしているアンガールズの田中卓志もフジで「ハゲ」と言わずに「薄毛」と言い換えるように求められた経験を語った。司会の東野幸治も5年くらい前に特番で『ハゲリンピック』の司会をやったと語り、この数年でフジでかつてやったハゲネタが急にできなくなっている現状を披露した。

 フジ社員としてスタジオ出演した椿原慶子アナが局の事情を説明した。

「そうなんです。コンプアンスがフジテレビも厳しくなっているので。流れがある……」
「不特定多数の方が見るテレビでは取り扱えないネタとかがあるのかな……」

 芸人たちと局員であるアナウンサーがお笑いの許容範囲をめぐってコンプライアンスについて率直に議論する番組は極めて珍しい。

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