タモリと長年にわたり親交があるシンガーソングライターのなぎら健壱

タモリと長年にわたり親交があるシンガーソングライターのなぎら健壱

「首筋ベース」を弾きながら語ったこと

 JAZZ、坂道研究、鉄道研究、料理、アマチュア無線など、趣味の多いタモリは、船舶についても造詣が深い。一級小型船舶操縦士の資格を持つほどの熱中ぶりだ。

 趣味が高じて自身の名前を冠したヨットレース『タモリカップ』(2009~2018年)を主催した。毎回180隻以上のヨットが参加する大規模なレースだった。レースを毎回取材していた雑誌記者によると、前夜祭の後はスタッフたちと安ワインを飲みながら夜中まで騒いでいたという。

 ある年のタモリは興が乗ったのか、自分の首筋を指で弾きながら、「ドゥンドゥン」と歌い続ける“首筋ベース”の芸を披露してみせた。首筋を弾きながらその合間に、タモリはこんな話をした。

「楽器なんかさ、下手でいいの。セッション相手が上手けりゃ、こっちまで上手くなった気になれるんだから」

 なぎらはこのエピソードを次のように解説する。

「それは、タモさん本人の経験から出た言葉だろうね。これまでいろんな人とセッションしているから。テレビに出る時も、JAZZのセッションみたいに考えてるのかもしれない。相手が上手けりゃ任せちゃうって。すべての番組でそんなふうにやっているのだとしたら、さすがだなって思うね。でもまぁ、なぁんにも考えちゃいないだろうけど」

『ブラタモリ』のレギュラー終了が発表されたことについて、「意外だった」となぎらは言う。

「何かひとつでいいから、タモさんらしい番組をずっと続けてほしいし、続けていくもんだと思ってた。あたしはそれが『ブラタモリ』なんじゃないかなって考えてたんですけどね。オールロケだから身体的にもきついのかもしれないね。それでも、タモさんは毎朝走って鍛えてるんですよ。あたし? あたしは朝じゃなくてもっぱら夜歩くの、じゃないと覗きがやりにくいから(笑)」

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