タガログ語で200本はあるというネタ帳

タガログ語で200本はあるというネタ帳

「日本の高齢化×フィリピンの葬儀事情」がネタに

 2月6日夜、フィリピンの首都マニラにある小さなカフェ・バーでスタンダップコメディのライブが開催されていた。

 スタンダップコメディとは、社会風刺や皮肉を織り交ぜながら語る1人漫談のこと。この日は、芸人が新ネタを試したり、新人の芸人が舞台を経験したりする「オープンマイク」と呼ばれるライブだ。ほりっこしにとってはあくまでネタの練習場で、普段の収入源となるチケット制ではないため、客足もまばらだった。

 披露するのはフリップ芸だ。スケッチブックにマジックで書いた絵を見せ、タガログ語で解説を加えていく。テーマにしているのは母国、日本である。

「日本には今たくさん問題があります。その1つが高齢化問題。街にはおじいちゃん、おばあちゃんがたくさんいて、子供がいません。だから高齢者に対しては優しい社会なんです」

 そう切り出したほりっこしの見せるフリップには、電車の中で、高齢者同士が席を譲り合っている場面が描かれている。

「席を譲る人も高齢者、譲られる人は少し年上。譲ってもらった人が今度はまた少し年上の高齢者に譲ります。で、また譲ってもらった人が少し年上の……。要はみんなおじいちゃんなんです。もし椅子が1つしかなかったら、最高齢の人がチャンピオンになります。1等賞にはもれなく、セイントピーター社の葬儀セットが賞品としてプレゼントされます」

 セイントピーターはフィリピン国内の大手葬儀社だ。日本の高齢化社会をテーマに、フィリピンの葬儀事情を掛け合わせた皮肉ネタである。

「日本では学校に子供がいないから、学校は老人ホームに改築されています。子供がいない公園は墓地になっています。そして子供が来ないピザ屋さんの窯は、火葬場になります」

 ピザ屋の窯に高齢者の男性が押し込まれる絵とともに、会場の爆笑を誘った。

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