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甲子園最多「68勝」でも「同じように評価してほしくない」 名将・高嶋仁が抱く大阪桐蔭・西谷浩一への複雑な心情

甲子園の歴代最多勝利まで「あと1勝」に迫る大阪桐蔭の西谷浩一監督(時事通信社)

大阪桐蔭・西谷浩一監督(時事通信フォト)

 開催中の第96回センバツ1回戦において、北海(北海道)に勝利した大阪桐蔭の監督である西谷浩一は、甲子園通算勝利数が高嶋仁(智弁学園、智弁和歌山)の68勝に並んだ。2回戦の鹿児島・神村学園戦に勝利すれば、単独1位の最多勝記録樹立となる。

 和歌山に暮らす高嶋を訪ねたのは、今年2月の中旬だった。

「1週間前に食事した時は、(高嶋の記録を超えることを)何やら気にしとる様子やった。どうせすぐに更新するんやから、『何も気にせんでええんや』と伝えましたね」

 そう話した一方で、後輩の快挙を素直に讃えられない高嶋もいる。

「基本的に和歌山の軟式の子ばかりを集めて戦った68勝と、全国から素材の良い選手を集めた68勝を同じように評価してほしくはありませんね」

 高嶋は昨秋、解説を務めるために明治神宮大会に足を運んだところ、試合を前にした西谷が「いつも言わないようなことを口にした」と振り返る。

「自信があったとしても常に謙虚に答える西谷から、『今年はピッチャーが仕上がっていますから、いけると思いますよ』と言われた。確かにええピッチャーが揃っているとは聞いていたんですけど、神宮大会の試合を見たら、『え!?』と思うような内容だった」

 高嶋が言う明治神宮大会の初戦において、大阪桐蔭は4投手を投入しながら関東第一に9対5で敗れた。一時は6点差をつけられ、コールド負け寸前の大敗だった。

「もしかしたらセンバツを見据えて、神宮大会は負けたほうが(センバツに向けて選手に)気合いが入るという狙いがあったんじゃないかと思ったぐらいです(笑)。もちろん、わざと負けるようなことはないでしょうが……」

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