2021年4月、高田馬場駅前の広場で飲酒する人たち。新型コロナウイルスの感染拡大による3度目の緊急事態宣言で、政府は酒類やカラオケを提供する飲食店に休業を要請したため飲食店で飲酒できず、駅前で(時事通信フォト)

2021年4月、高田馬場駅前の広場で飲酒する人たち。新型コロナウイルスの感染拡大による3度目の緊急事態宣言で、政府は酒類やカラオケを提供する飲食店に休業を要請したため飲食店で飲酒できず、駅前で(時事通信フォト)

 実際、花咲徳栄はインスタグラムにアップした宴会動画で露見した。プロ野球でも昨年、ソフトバンクホークスの未成年選手2名がインスタのライブ配信で発覚した。

「高校は言語道断ですが、大学やプロ野球は未成年と成人が混在しますからね、誕生日を把握して、とかまあないですね、大学入ったらよーいドンで飲み会、これは野球部に限らず大学全体がそうじゃないですか」

 確かに、都内でも新歓シーズンとなるとものすごい数の学生が酒を飲み、集団で羽目を外す光景が見られる。各大学側も表向きは「飲酒に関する基本ルール」など掲げているが、現実はおおよそ守っていないように思う。これも土地柄、学生街は飲酒や羽目外しには甘い。学生さんが商売相手でもある、という部分もあるのだろう。先に地方の話をしたが、日本全体でまあ、そういう空気は昭和、平成初期ほどではないがしっかり残っている。

「酒を飲むのは人それぞれですけど、やはり未成年と飲酒の強要、この二つはだめだと思うんですけどね。だめと思ってない人、現実には多いんじゃないですか」

 多いから先に紹介した通り、直近でも多くの事案が発生している。まったく減るどころかずっと続いている。

「だめとわかっていても空気を読んで迎合するとか、一緒になって一気コールとか、みんな表立って言わないだけで、それぞれのコミュニティではやってることだと思うんです。勝手にすればいいという人もいるでしょうが、嫌がる人への強要もある場合が多い」

 もともと「お酒は二十歳になってから」「飲酒の強要はアルハラです」は当たり前の話だが、これはもう日本文化というか、宗教上の制約のない文化であるが故と言っても構わないのだろうが、なかなか治ることがない。

 ちなみに訪日外国人にとっては「好き勝手に夜でも路上で酒を飲んでも構わない国」というこのフリーダムさがウケているため、変な方向で日本の観光資源になりつつあるという報道もある。「こんなに自由に酒飲める日本最高」と新宿で外国人の集団が大騒ぎだったが、ある意味、それができるほどに治安がいい、という面もあるのだろう。

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