『ぼくらの七日間戦争2』公開時のサイン会でサインする先生(提供写真)
「パソコンで原稿を書き始めたのは、70歳からです。一度パソコンで書き始めたら、もう手書きには戻れませんね(笑)。検索をしたり、書き直したりするのに便利ですし、以前は取材旅行に出かけ海外のホテルに長期滞在して執筆することも多く、手書きのときは原稿用紙をたくさん持っていかなければいけないので大変でした。パソコンなら1台持っていけばいいのでラクになりましたね」
手書きするのとキーボードを打つのとでは文体が変わる、などという作家の声をかつては聞いたが、宗田さんには無縁の話のようだ。新しいものを受け入れる柔軟さがあることも、長く書き続けられる秘訣なのだろう。
作品の着想はどこから得ているのだろうか。
「人との会話、本や新聞、テレビのニュース、ショッピング……目にしたものの、ほんのちょっとしたきっかけから思いつきます。時間帯で一番多いのは早朝。まどろみながら、あれこれ考えているのだと思います。3時か4時頃に目を開けたときに、フッと出てきます。そうかと思えば、いろいろなアイデアが溢れ出て、目覚める朝もあります。
日常のなかから着想が生まれるので、自然と取り扱うテーマは、その時代が反映されます。近い将来に起こりそうだ、と危惧するような事件などを空想して書いている場合もあります」
これまで出版した本は、200冊近くにのぼる。尽きない創作意欲は、丈夫な身体と今も強い好奇心が源泉だったようだ。