断食すると太りやすい体に
もっともやめるべきだと識者から点数を集めたのが「糖質制限」だ。食事から糖質含有量が多い米やパン、麺などを減らし、血糖値をコントロールして行うダイエットで、実際にやった人からは「驚くほどやせる」、「体が軽くなる」といった声がある。だが、和田さんは「日常生活に支障が出る」と危険性を指摘する。
「糖質を断つと低血糖状態が起こりやすくなり、手足の震えや動悸が起こります。また、脳の栄養が不足することで意識・認知機能の低下を起こします」
イシハラクリニック副院長の石原新菜さんも、糖質制限をした患者の様子から懸念を示す。
「厳しい糖質制限と、代わりのエネルギー源として肉を食べるようにした患者さんは2週間経った頃、体がふらつくようになりました。3か月後の採血ではコレステロールや中性脂肪、肝臓の数値が悪化。本人は体臭がきつくなったと気にしていました」(石原さん)
糖質制限をするとたんぱく質と脂質の摂取量が増えるが、そこにも落とし穴がある。たんぱく質の過剰摂取は腎臓に負担をかけ腎障害の危険性をはらみ、飽和脂肪酸の摂りすぎは動脈硬化を招くのだ。実際、「肉だけ食べるダイエット」は14位にランクインした。
胃腸の回復を促し、整腸効果などを目的に「断食」を定期的に行う人も多いが、4位に。管理栄養士の望月理恵子さんが言う。
「断食をすると筋肉量が減り、基礎代謝も低下します。つまり、太りやすくやせにくい体になる。ビタミンB群といった水溶性の栄養素は常に供給しないと体内で不足するので、体調不良の原因になる。野菜などの食物繊維を摂らないことで腸内フローラが悪化し、下痢や便秘、肌荒れといったトラブルを引き起こします」