ライフ

《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」

「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)

「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、山口組の機関紙『山口組新報』に掲載されている「川柳」に込められた本音について。

 * * *
 今回の『山口組新報』はいつもと違っていた。第30号記念〈増刊号〉と銘打たれ、きらびやかで鮮やかな表紙がついている。胸章の白いリボンバラの真ん中に「30」の金文字が光り、紅白のリボンが垂れ下がるデザインだ。カラフルな胸章はお祝い事につけられるもので、一般的に白バラは主催者側とされている。その後ろには過去の号が並んで掲載されていた。

 初めて見る華やかなデザインに驚いていると、「たぶんヤクザジャーナルの編集者の誰かがデザインにかかわってるんだろう。俺が知る限り、山口にこんなデザインをできるようなやつはいないと思う」と、新報をコピーして渡してくれた山口組関係者は話す。2013年7月創刊から10年、「おかげさまをもちまして、今回30号発刊となりました」とリボンには書かれていた。

『山口組新報』は六代目山口組が傘下組織に向けて発行している機関紙だ。毎号全頁オールカラーのB4判8枚からなるが、30号記念の今号は10頁だ。その内容は「六代目親分御誕生日」に組内の人事、年末に行われた餅つき大会の様子、「命日法要」にNEWSポストセブンでも記事が載っていた能登半島地震のボランティア活動などなど。六代目山口組の組として、この時期どのような行事を行っていたのかがよくわかる紙面になっている。毎号7頁目にある俳句・川柳・短歌・狂歌のコーナーは増刊号ということで9頁目に載っていた。

 6代目山口組の世相を表しているともいえる川柳コーナーでは、いかにもヤクザといえるような句やシノギや事件に絡んだ句もあれば、健康不安や夫婦関係を詠んだ句までテーマは幅広い。コロナ禍では自粛やワクチンに関する句が目立ったが、今回はそれもなくなりヤクザ社会もようやくコロナ前に戻ったようだった。

 ヤクザ業界ではどの組でも高齢化が心配されているが、六代目山口組もその例に漏れず、組織の高齢化は深刻だろう。組長の司忍氏は82歳、ナンバー2の若頭、高山清司氏は76歳、舎弟頭の青山千尋氏は77歳、本部長の森尾卯太男氏は70歳。傘下の組長らもほとんどがシニア、組員たちもシニア世代が多いといわれ、〈これは観た クライマックス 観て気づく〉と句に頷く組員も多いことだろう。健康に関する句は今回も〈窓開けて 換気しすぎて 風を引く〉〈大寒に 大活躍の コルセット〉が選ばれている。

関連記事

トピックス

新関脇・安青錦にインタビュー
【独占告白】ウクライナ出身の新関脇・安青錦、大関昇進に意欲満々「三賞では満足はしていない。全部勝てば優勝できる」 若隆景の取り口を参考にさらなる高みへ
週刊ポスト
受賞者のうち、一際注目を集めたのがシドニー・スウィーニー(インスタグラムより)
「使用済みのお風呂の水を使った商品を販売」アメリカ人気若手女優(28)、レッドカーペットで“丸出し姿”に賛否集まる 「汚い男子たち」に呼びかける広告で注目
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン