フランスで売られている、「ぐったりとしたウミガメ」のマークと「トイレに流すな」を示すマークが書かれた赤ちゃんのおしりふき。消費者への啓蒙的な意味がある。(提供/羽生のり子さん)

フランスで売られている、「ぐったりとしたウミガメ」のマークと「トイレに流すな」を示すマークが書かれた赤ちゃんのおしりふき。消費者への啓蒙的な意味がある。(提供/羽生のり子さん)

 高田さんも日本の環境政策を批判する。

「日本の環境政策は、『大量消費・大量リサイクル』でプラスチック問題を乗り切ろうというものです。しかし、プラスチックは便利ですが安定した素材ではなく、数年しか使えないうえ、完全に分解されて水と二酸化炭素になるまでに何千、何万年もかかる。その間、自然界にマイクロプラスチックを放出し続けます」

フランスではガラス瓶に量り売りの食品や洗剤、シャンプーなどを入れる

 食べ物にも飲み物にも、空気中にすら入り込むプラスチックの脅威を前に、私たちはどう行動すべきなのか。

 EU圏内は2030年までにマイクロプラスチックを30%減らすとの目的を掲げ、2028年からマイクロプラスチックを使った洗剤を販売禁止にするなどの規制を進めている。

「欧州委員会は一部の使い捨てプラスチック製品に、ぐったりとしたウミガメのイラストを用いたマークをつけることを義務付けています。欧州においてウミガメは海洋プラスチック汚染の犠牲となる象徴的な動物で、ロゴを見た消費者がプラスチック商品を判別できる仕組みです。

 メディアの報道もあり、プラスチックの危険性への市民の関心は非常に高いです」(羽生さん)

 羽生さんが暮らすフランスでは、一部の市民が自覚的に取り組んでいるという。

「店舗では持参したガラス瓶に量り売りの食品や洗剤、シャンプーなどを入れて購入し、冷蔵庫の食品保存にはラップを使わず、蓋付きのガラスやステンレス容器を利用します。

 もともと欧州はガラス瓶入りの食品が多いので空き瓶には困らず、フランスでは余ったら道端にあるガラス容器専用のリサイクル用ごみ箱に捨てます。日本に一時帰国した際、ガラス瓶入りではなく、プラスチック容器入りの食品がすごく多いことを実感しました」(羽生さん)

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