ビジネス

RIZAPとSOMPO「資本業務提携」の狙い 記者会見で明かされた戦略

握手するSOMPOホールディングス(HD)の奥村幹夫社長(左)とRIZAPグループの瀬戸健社長

資本業務提携について説明した後、握手するSOMPOホールディングス(HD)の奥村幹夫社長(左)とRIZAPグループの瀬戸健社長(時事通信フォト)

 7月1日、SOMPOホールディングス(HD)とRIZAPグループが都内で共同記者会見を開き、先日発表された両社による資本業務提携について説明した。

 具体的な業務提携の内容として〈両グループが有する経営基盤・商品・サービスをお客さまが利活用いただく仕組みの構築〉、〈SOMPOグループの損保、生保、介護事業データとRIZAPグループのライフログ、指導ノウハウを組み合わせ、お客様のニーズや健康状態に即して提供する新サービスを開発〉、〈SOMPOグループの保険事業に加えて、介護事業やヘルスケア分野等で、RIZAPの事業活用も含めて協業を促進〉の3つを示した。

 SOMPO側は、健康に関わるサービス・顧客基盤・データを有するRIZAPとの提携によって、ウェルビーイング事業での戦略実現を加速させることを狙いとしている。保険分野以外でユーザーとのタッチポイントを持つRIZAPの顧客にアプローチしたい考えだ。RIZAP側も、自らが保有するライフログのデータとSOMPOが持つデータをユーザーの許諾を得たうえで連携するなど、相互の強みを成長戦略につなげていく計画だという。

 国内生保事業やコーポレート・ウェルネス事業に加え、介護事業を展開するSOMPOHDと、約1500店のchocoZAPを展開しパーソナルトレーニングにも強みを持つRIZAP。今回、介護施設にライザップのトレーナーを派遣するサービスを検討することも発表された。加えて、SOMPOHD傘下のSOMPOケアが運営する介護施設の利用者や施設の職員がchocoZAPを利用できるようにし、また、介護施設からchocoZAPへ移動する際の送迎用のバスの運用も検討されるという。

 SOMPOHDの奥村幹夫社長は会見で、「RIZAPグループは、SOMPOグループがまだ持っていない具体的なフィットネスのサービスやデジタル接点など、ビジネスモデル上の補完関係にあります」と提携のメリットを語った。

 RIZAPグループの瀬戸健社長は「SOMPOグループとの連携により、様々なデータをつなぎ、健康を後押しする行動や運動についても新たな指標を見出し、商品・サービスの再定義に活かす。ハードルもこれからたくさんあると思いますが、両社で力を合わせて乗り越えて、1年後には『こんなサービスが生まれたんだ、驚きだな』と思っていただけるようにチャレンジしていきたい」と話した。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン