国内

《現在も悲鳴のような鳴き声が響く》元施設関係者が語る絶望の繁殖現場「窮屈なカゴに犬を入れて、ビニール袋で覆ってガムテープで密閉」「死体はゴミに紛れさせ」 トイプーやポメラニアンが犠牲に…動物愛護法違反容疑で埼玉のブリーダー男逮捕

人里離れた奥地にある繁殖施設(※犬の写真はイメージです)

人里離れた奥地にある繁殖施設(※犬の写真はイメージです)

 埼玉県毛呂山町の人里離れた奥地にある1棟の建物。周囲は田んぼと林しかない。静かであるはずのこの場所で、悲鳴のようなギャンギャンという犬の鳴き声がなりやまない。誰が聞いても異常と感じる鳴き声は、施設に近づくほど大きくなっていく。大部分を青いトタン板で覆われており、なかの様子をうかがい知ることは難しい。出入り口に近づくと、周囲に漂っていた獣臭や犬の糞尿が混ざった匂いがよりいっそう強くなる。吐き気を催すほどだった。

 残酷な動物虐待が発覚した。

「埼玉県警は6月27日、繁殖用として飼育した犬3匹をカゴに入れて密閉し、窒息死させたとして、埼玉県毛呂山町の元ブリーダー、渡部幸雄容疑者(81)を動物愛護法違反の疑いで逮捕しました。渡部容疑者は、自宅敷地内にある施設で小型犬179匹と猫13匹を飼育していたと言います。繁殖させてペットオークションなどで販売していました。

 そんな渡部容疑者が犬を殺しているという情報が県警に入り、5月に飼育施設を県警が家宅捜索をしたところポメラニアンやトイプードルなど3匹の死体が見つかりました。容疑者は調べに『3匹のうち2匹はすでに死んでいた』と容疑を一部否認をしながらも『繁殖に使えなくなった犬を生かしておくと経費がかかる。行き場のなくなった犬の責任をとるつもりで殺した』と供述しています」(社会部記者)

 犬や猫で生計を立てながら、“使えなくなった”老犬などは自分の都合で殺していたとみられる渡部容疑者。飼育施設は冒頭のように、周囲から中をうかがい知ることはできない。少し離れた近隣の男性住民が話す。

「(囲いが高くて)中が見えないので、犬に何をしていたのかは分からないです。散歩しているのも一度も見たことないです。ずっと大きな声で犬が鳴いています。事件を知った後だと、なおさら可哀想な鳴き声に聞こえてきて……」

関連キーワード

関連記事

トピックス

オーナーが出入りしていた店に貼られていた紙
「高級外車に乗り込んで…」岐阜・池田温泉旅館から“夜逃げ”したオーナーが直撃取材に見せた「怒りの表情」 委託していた町の職員も「現在もまだ旅館に入れない」と嘆き
NEWSポストセブン
記者の顔以外の一面を明かしてくれた川中さん
「夢はジャーナリストか政治家」政治スクープをすっぱ抜いた中学生記者・川中だいじさん(14)が出馬した生徒会長選挙で戦った「ものすごいライバル候補」と「人心を掴んだパフォーマンス」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博内の『景福宮』での重大な疑惑が発覚した(時事通信)
《万博店舗スタッフが告発》人気韓国料理店で“すっぱい匂いのチャプチェ”提供か…料理長が書いた「始末書」が存在、運営会社は「食品衛生上の問題はなかった」「異常な臭いはなかった」と反論
NEWSポストセブン
63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志さん
《63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志》不良役演じた『ビー・バップ』『スクール☆ウォーズ』で激変した人生「自分の限界を超える快感を得ちまった」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
サッカー界のレジェンド・釜本邦茂さんが「免許返納」密着取材で語っていた「家族に喜んでもらえることの嬉しさ」「周りの助けの大きさ」
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがニューシングル『Letter』をリリース(写真・左/AFLO、写真・右/Xより)
羽生結弦の元妻のバイオリニスト・末延麻裕子さん、“因縁の8月”にニューシングル発売 羽生にとっては“消せない影”となるのか 
女性セブン
中学生記者・川中だいじさん(14)が明かした”特ダネ”の舞台裏とは──
「期末テストそっちのけ」中学生記者・川中だいじさん(14)が抜いた特ダネスクープの“思わぬ端緒”「斎藤知事ボランティアに“選挙慣れ”した女性が…」《突撃著書サイン時間稼ぎ作戦で玉木氏を直撃取材》
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
メキシコ五輪得点王・釜本邦茂さんが語っていた“点取り虫”になる原点 “勝負に勝たなければならない”の信念は「三国志」に学んでいたと語る
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴行動画に批判殺到の花井組》社長らが書類送検で会社の今後は…元従業員は「解体に向けて準備中」、会長は「解体とは決まっていない。結果が出てくれば、いずれわかる」と回答
NEWSポストセブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン
猫愛に溢れるマルタでは、動物保護団体や市民による抗議活動が続いているという(左・時事通信フォト)
《深夜に猫地面にたたきつける動画》マルタで“猫殺し”容疑で逮捕の慶應卒エリート・オカムラサトシ容疑者の凶行と、マルタ国民の怒号「恥を知れ」「国外に追放せよ」
NEWSポストセブン
大神いずみアナ(右)と馬場典子アナが“長嶋茂雄さんの思い出”を語り合う
大神いずみアナ&馬場典子アナが語る“長嶋茂雄さんの思い出”「こちらが答えて欲しそうなことを察して話してくれる」超一流の受け答え
週刊ポスト