今月4日には最新刊85巻が発売(HPより)
“国民的アニメ”の続編やリメイク
『キン肉マン』は、ゆでたまごのシリーズ累計7700万部超を誇る漫画作品。アニメ版も平均視聴率20%と大ヒットしたほか、映画は7作が公開され、80年代には“キン消し”(キン肉マン消しゴム)が1億8千体以上売れるなど社会現象になりました。
つまり40代以上の人々にとってはおなじみの国民的アニメなのですが、そのドンピシャ世代ですら知らない人が多いのは、今なお連載が続いていること。原作漫画は1979年に週刊少年ジャンプで連載スタートし、1987年に物語が完結。しかし、24年後の2011年に連載再開されて現在まで続き、今月4日には最新刊85巻が発売されました。
連載再開の2011年から約13年間アニメ化されず、『キン肉マン』の続編は国民的アニメでありながら、言わば放置された状態。同じ時期に週刊少年ジャンプで連載されていた『ドラゴンボール』はリメイクを織り交ぜながら放送が続けられ、今秋にも完全新作の『ドラゴンボールDAIMA』が予定されています。その他でも同じ時期に人気アニメだった『キャプテン翼』や『うる星やつら』などがリメイクを重ねて今年まで放送が続けられていました。このような近年の流れを見ても国民的アニメだった『キン肉マン』の続編放送は当然と言っていいかもしれません。
これらの昭和から平成にかけての大ヒットアニメは、民放各局にとってアラフォー・アラフィフの親とその子どもという親子視聴が期待できる貴重なコンテンツ。特に『キン肉マン』はキン消しだけでなく、何度となくゲーム化されるなどのビジネス展開への期待も大きく、アニメ放送でメリットを得られるのはテレビ局だけではありません。
そもそも『キン肉マン』は連載中に「超人総選挙」や「新超人募集」を行うなど、読者の参加を促す双方向漫画の先駆けでした。キン消しはほぼすべての登場人物をカバーしたほか、登場人物ごとにキャラクターソングも設定。主人公のキン肉マンが人気投票で下位に終わるほど多くのキャラクターが愛された作品であり、現在で言うところの“推し超人”を応援する楽しさがありました。今回の続編放送中も“推し超人”をめぐるSNSのコメントが活発化しそうなムードがあります。
さらに昨春にはアニメ化40周年を記念して東京タワーで『超キン肉マン展』も開催。今夏のアニメで人気が高まれば、さらなるグッズ展開なども期待できるでしょう。