体操の男子団体総合決勝、鉄棒の演技前に準備する橋本大輝(右)(時事通信フォト)

体操の男子団体総合決勝、鉄棒の演技前に準備する橋本大輝(右)(時事通信フォト)

 ところでこのスケートボード、集中しなければ大ケガにつながるだろう競技だが、正直なところ、その技を見ていても何がすごいのかよくわからない。まだまだ新しい競技だし、年齢的に若い人たち中心の競技ということもあり、筆者にはこの競技に対する予備知識がほとんどないからだ。

 試合中継を解説するプロスケーターの言い回しも「やべー」「アツいっすね」「ノッたっすね」で、何がどうヤバイのか、アツいのか感覚的すぎた。スケボーをやる人、好きな人にはニュアンスで掴めるのだろう。しかしオリンピックぐらいしかスケボーを見ない筆者のような人種には、話題になっている”ゆるすぎる解説”は残念ながら“やべぇ”で、その場の緊迫感もアツく伝わってこなかった。実況中に興奮のあまり絶叫するようなアナウンサーや解説者がいいとは言わないが、少々残念だった。

 それとは逆だったのが体操男子団体だ。体操王国日本といわれた時代もあり、体操競技は親しみある見慣れた競技である。選手たちの演技をハラハラしながら試合を見守った。あん馬で落下するミスをしたエースの橋本大輝選手。5種目目を終えた段階で首位の中国とは3点以上の差がつき、最終種目は鉄棒。中国の選手が競技を始めてもベンチの橋本選手は座って俯いたまま顔を上げない。ところが2人目の選手が2度も落下するという信じがたいミスを連発。会場がざわついても橋本選手は顔を上げなかったのだ。

 試合後、この時のことを橋本選手は真顔で「自分の演技で4人がかけるメダルの色が変わる。とにかく集中するしかない。極限まで集中を高めて演技するしかない」という主旨のコメントをした。自分と向き合って集中を高めるため、中国人選手の演技は見ていなかったという。自分の出番直前、トップにいる選手がミスを重ねるのを見れば、肩の力が抜けるような気がするが、橋本選手は自分と戦っていたのだろう。

 極限まで高められた集中力をコントロールし、一人でも多くの選手たちに、オリンピックのメダルをとってほしい。何より自分にとって納得のいく結果を引き寄せてほしいと思う。

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