スポーツ

荒木大輔氏が振り返る“大ちゃんフィーバー”「通学時は体格のいい同級生がぼくを囲み…」、特別な存在“甲子園”への思い

野球解説者、野球評論家の荒木大輔さん

野球解説者、野球評論家の荒木大輔さん

 これまで何人もの伝説のヒーローが生み出されてきた甲子園。平成の時代にも「ハンカチ王子(斎藤佑樹)」など多くの甲子園アイドルが誕生したが、昭和には甲子園の歴史に名を刻むレジェンドがいる──。

 早稲田実業(当時は東東京代表)の投手として、1980年の夏の大会で初めて甲子園の土を踏んだのが荒木大輔(60才)だ。1回戦の北陽(大阪)戦で見せた、1年生ピッチャーの端正な顔立ちと巧みなピッチングに、マスコミは色めき立ち、世の女性はときめいた。

 荒木はこの試合を含め5試合に先発し4完封。迎えた決勝では、愛甲猛を擁する横浜(神奈川)に4対6で敗れるも、女子中高生が宿舎や練習場に連日押し寄せ、8年連続で新生児(男児)の名前ランキング1位が「大輔」になるなど、空前の「大ちゃんフィーバー」が巻き起こった。

「ファンに追いかけられるので、通学時は体格のいい同級生がぼくを囲み、近寄れない状況を作ってくれました。当時は男子校でしたが、学ラン姿の女子が学内に侵入する珍事も起きました」と荒木(以下「」内同)は懐かしそうに笑う。

初の甲子園で「北陽」を完封した直後。大ちゃんフィーバーはここから始まった。

初の甲子園で「北陽」を完封した直後。大ちゃんフィーバーはここから始まった。

 そんな社会現象のど真ん中にいた荒木だが、その後もブレることなく春夏通算5回の甲子園出場を果たす。

「常に自分がどう勝ちに貢献できるかを考えながら投げていました。それが通用しなかったのが3年生夏の大会、準々決勝で対戦した池田(徳島)です。彼らのウエイトトレーニングで鍛え上げた体の大きさに圧倒されました」

 20安打と“やまびこ打線”が炸裂し、結果は2対14。荒木の“甲子園”が終わった。その年のドラフトでヤクルトに1位指名され、入団後も人気は衰えなかった。

「甲子園は野球少年が目標とする地。プロ野球選手同士でも話題は尽きません。そんな熱い思いの詰まった球場はほかにない。特別な存在です」

【プロフィール】
荒木大輔/野球解説者、野球評論家。甲子園では5季連続、17試合を戦った。1982年のドラフト1位でヤクルトに入団。YouTube「荒木大輔チャンネル」も好評。

※女性セブン2024年8月8・15日号

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン