スポーツ

PL学園の現在 硬式野球部に続き軟式も今夏に休部、高校の入学者はわずか9人 教団名物「花火大会」もなくなり「機関紙」も休刊へ もはや「風前の灯火」

PL学園の「人文字」は名物だったが……

PL学園の「人文字」は名物だったが……

「PL」が壊滅状態だ。学校法人であるPL学園では2016年に活動を休止した硬式野球部に続き、軟式野球部も3人の3年生部員(1人の女子部員を含む)しかおらず、連合チームで出場した今年の夏をもって休部になることが決まった。だが、PLをめぐって「なくなったもの」は野球部だけにとどまらないという──。

 PL学園の硬式野球部は、学園母体である宗教法人パーフェクトリバティー教団(PL教団)の2代教祖だった御木徳近氏の肝いりで強化が始まり、「学力は東大、野球は甲子園」というキャッチフレーズを校内に掲げて、全国にある教会のネットワークを駆使して情報を集めて声をかけていった。

 その結果、PLで野球をやりたいという有望な球児が、わざわざPL教に入信してまで(PL学園に入学するためには両親も含めて入信する必要がある)、全国から大阪府富田林市に集まり、同校は春夏あわせて7度の全国制覇を誇る超名門に。KKコンビ(桑田真澄、清原和博)をはじめ、同校を卒業後、プロ野球選手となったOBは82人にのぼる。

 しかし、教団の広告塔を担っていた硬式野球部は、2000年代以降に起きた相次ぐ不祥事の影響もあって、2016年には活動を休止し、翌年には高野連から脱退した。

 その一方、硬式とまったく同じユニフォームを身に纏って戦う軟式野球部には、1学年20人という硬式に入れなかった生徒や、PL学園中学から軟式野球をやっていた信者の2世などの受け皿として存在した。軟式野球部もこれまで11度にわたって夏の大阪大会を制し、2001年には全国制覇も遂げている。

 もともと信者ではなかった生徒が中心となる硬式とは違い、軟式には信仰心のあつい生徒が集まっていた。それゆえ、教団および学園内では重宝され、教団の機関紙である「芸生新聞」では2016年夏、テレビや新聞が大きく報じた硬式野球部のラストゲームを中面で小さく扱い、軟式野球部が夏の大会の開会式に参加したことを一面で大きく紹介していた。

 だが、今夏をもって、その軟式野球部までなくなってしまうというのだ。今年度の高校の入学者がわずか9人という状況では、活動休止も仕方ないのかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン