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「今年はじめについに貯金が底をつき、今は借金生活」『地面師たち』で遅咲きのブレイク 五頭岳夫(76)が明かすホームレス役が多いのは「底辺の人の気持ちがわかるから」知られざる役者半生

終始笑顔でインタビューに応じてくれた

終始笑顔でインタビューに応じてくれた五頭さん(撮影/小倉雄一郎)

 Netflixのクライム・サスペンスドラマ『地面師たち』は、実際の巨額不動産詐欺事件を下敷きにした小説のドラマ化作品で、今年1番の話題をさらっている。メインキャストが豪華なうえ、脇役や端役までも個性が光る俳優たちが演じ、彼らの人気も上昇中。第1話で東京・恵比寿の物件の所有者になりすます佐々木老人役の俳優・五頭岳夫さん(76)もその1人。五頭さんのこれまでのキャリアや人生、これからの目標について聞いた。【前後編の後編。前編から読む

──『地面師たち』で注目されていますが、それ以前はどんな作品に出演してきたのですか?

「2018年公開の『教誨師』という映画で、僕を覚えてくれた人もいたようです。死刑囚と対話する教誨師役が大杉漣さんで、僕はホームレスの死刑囚役。僕はホームレス役が多いんですよ」

──なぜホームレス役が多いのでしょうか? こだわりはありますか?

「なんででしょう(笑)。底辺の人の気持ちがわかるからかな。演じるときは、歩き方ひとつとっても、どういうふうに背骨を丸めるか、脳梗塞による麻痺があるなら、どの程度、腕を曲げるか、とか、特徴をよく掴んで表現するようにしています。まずはカタチ。僕は1日の撮影や、1シーンだけ出演する“ワン・デイ、ワン・シーンの役者”だから、まずは見た目でインパクトを与えることが大事だと思っています」

──76歳まで役者を続けるのは、並大抵ではなかったことと思います。これまでどのように活動を続けてこられたのですか?

「2007年頃から本格的にマスメディアの仕事(テレビや映画)をしてきましたが、2000年頃からエキストラ事務所に登録し、最初はエキストラから始めました。そのとき、本名の小林直治から、故郷の五頭山からとった五頭岳夫という芸名をたてて活動しています。それ以前は新劇の劇団・青年劇場で約20年、舞台に立っていました」

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