(写真はフォトエッセイ『凛と生きる選択』より)

「肌」を封印する気はないとも宣言してくれた(写真はフォトエッセイ『凛と生きる選択』より)

 女優を極めようとするも眠れずにひとり泣いた夜もあった。そうして暗い洞窟から地上に戻ってきたような感覚のなか、出会えた作品が、昨年公開の映画『クオリア』であり『道で拾った女』だった。後作ではクズなトラック乗りの男に拾われるホームレス女性を演じ、やがて惹かれ合い体を重ね合う役どころを演じた。

「肌を重ね合わさずサラッと別れてもよかった関係なのに、敢えて肌を重ねたのは、ちゃんと竜平(トラック乗りの男)の存在を記憶に刻んでおきたかったからだと理解した上で挑めました。自分が新たな一歩を踏み出すきっかけとして、体に刻むように肌を重ねる。今まで演じたものとはまた違った愛を感じられるシーンでした」

 役柄に心と体で本気でぶつかってきた彼女ならでは意気込みが伝わってきた。ストイックに女優を追求するが故に、彼女は自分を見つめ直したときにあることに気づいた。

「これまで、ひとりは好きだけど孤独は耐えられないくらい苦手でした。思えば私はこの世界のどこかに居場所を求めていたのかもしれません。彼との結婚で、本当に心の底から安心できる感覚が得られました。結婚を発表してから久々にライブ活動したのですが、パフォーマンスが上がっていることを実感しました。自分の中で揺るがない自信を得たというか、本当に伸び伸びと歌えて自由になれたんです。心の余裕って大事なんだなって思いました。そんな私に揺るがない愛と安らぎをくれた夫は最高の相方です」

 このたび結婚を発表したことで、彼女の肌を見られる機会が無くなるのではないかと案ずる声に彼女はこう答えた。

「肌(の露出)を封印する気はありません。作品の内容と必然性があれば今もその覚悟はあります。寺島しのぶさんのように何歳になってもその役で必要なら惜しげもなく披露する姿勢は憧れですから。もし気になさっている方がいたら、『大丈夫ですよ』とだけお伝えしておきますね」

【プロフィール】佐々木心音(ささき・ここね)/1990年5月22日生まれ、東京都出身。女優、シンガーソングライター、舞台、映画、ドラマ、CM、モデル等多方面にわたり活躍。
主演映画『クオリア』順次全国上映中 https://eiga-qualia.studio.site/
初のフォトエッセイ『凛と生きる選択』がネットショップにて発売中
近況や詳細は公式HPにて https://sasaki-kokone.amebaownd.com/

取材/河合桃子

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