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習近平体制になってますます強化された中国国内の「反日教育」 最新歴史教科書では日本を「敵」と形容する場合もあり、情緒的な表現も目立つ

習近平体制になって反日教育はますます強化されたという(時事通信フォト)

習近平体制になって反日教育はますます強化されたという(時事通信フォト)

 中国・深セン市の日本人学校に通う男児が殺害された事件を受け、中国政府は「偶発的な事件」「類似の事件はどの国でも起こり得る」と主張して幕引きを図っている。だが、事件の背景には反日感情の暴走を野放しにする習近平政権の存在があるとの指摘もある。

 今回の日本男児殺傷事件の犯人は、1990年代に江沢民が始めた反日教育を受けてきた世代にあたる。評論家の石平氏が語る。

「今の40代は小学校から反日教育を受けてきました。学校教育のほかにもドラマや映画で日本兵の残酷さが繰り返し描かれ、反日感情を植え付けられた。2013年に習近平体制になって反日教育はますます強化されました」

 最新の中国の教科書には何が書かれているのか。

「1931年、日本は九一八事変(=柳条湖事件)を発動して中国に対する侵略戦争を引き起こし、中華民族は深刻な危機に直面した」

 中学2年生が学ぶ『中国歴史 上巻』(人民教育出版社)の第六単元「中華民族的抗日戦争」の序文はそう始まる。

 中国事情に詳しいライターの西谷格氏が語る。

「中国教育省は2017年、それまで歴史教科書において1937年の盧溝橋事件に設定していた抗日戦争の起点を、柳条湖事件が起きた1931年に変え、1945年の終戦まで8年とされた抗日戦争の期間を14年に全面変更した。今回の事件があった9月18日は7年前から抗日戦争の起源になったのです。教科書では『柳条湖事件以降、日本は侵略を広げて東北地方で無辜の民を虐殺し、東北3000万人の同胞を屈辱的な亡国の奴隷とした』などと続けています」

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