大河ドラマから漫画原作映画まで幅広く手がける柘植氏
───人物デザインを考えられている段階で、キャスティングが決まっている時と決まっていない時で、手順に違いはありますか
キャスティングが決まっていても、その俳優さんのイメージを最初は取っ払っていますね。「その役者だからこの感じ」のように考える時もありますけれども、自分は作家性の強い原作が多いので……。
──原作がある場合は、そのイメージも重要になってきますからね。
原作のファンの方がまずあるからこそ、その作品の実写化が成立する、という関係だと思います。ですから、役者がAさんになるか、Bさんになるかということよりは、その原作のイメージを踏襲するタイプだと思います。ただ、そこには塩加減みたいなものがあるので。最初はこう思っていたけれども、この人が配役されたことによって、少し塩梅をこのぐらいにしよう……みたいなことはあります。けれど、原則的なものが変わることはあまりないですね。
※各作品の具体的な創作エピソードは書籍をご覧ください。
【プロフィール】春日太一(かすが・たいち)/1977年生まれ、東京都出身。時代劇・映画史研究家。日本大学大学院博士後期課程修了。著書に『天才 勝新太郎』(文春新書)、『時代劇は死なず!完全版 京都太秦の「職人」たち』(河出文庫)、『あかんやつら 東映京都撮影所血風録』(文春文庫)、『役者は一日にしてならず』『すべての道は役者に通ず』(小学館)、『時代劇入門』(角川新書)、『日本の戦争映画』(文春新書)ほか。『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』(文藝春秋)にて、第55回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
柘植伊佐夫氏をはじめ12人の“職人”にインタビューした最新刊『ヒット映画の裏に職人あり!』の発売を記念して、同書に登場する田中光法氏(馬術指導)と中川邦四朗氏(殺陣指導)の配信対談イベントを開催。
詳細はhttps://sho-cul.com/courses/detail/472