散歩やストレッチが日課だという
「女房がライバルですね」
普段は毎朝4時30分に起きて、5時に散歩に出かけるのが日課です。30分ぐらい歩いた先にベンチがあるから、ベンチの背に手をかけて腕立て伏せやストレッチを20~30分して、また歩いて帰ってきます。身体がなまらないように。それは意識しています。でも、毎日じゃありません。“毎日やらなきゃいけない”と義務を課すのはイヤですから。
身体のためにやっていることは、それぐらいです。スキーやゴルフはやりますけどね。若い頃から好きで、今もよくやります。ゴルフのスコア? それは聞いたらダメです(笑)。女房がライバルですね。最近はハーフを回ったら、もうくたびれてお風呂入ってオサラバしちゃう。何でもほどほどがいいんじゃないですか。
運動は観るのも好きです。僕は中高時代にバスケットボールをやっていて、高校時代はインターハイに出場したほど打ち込んでいました。それぐらいだから、今もバスケをはじめ、野球、ゴルフ、陸上、相撲……何でも好き。息子(俳優の田村幸士さん、47)が子どもの頃は五輪を生で観せてやろうと、1988年のソウル五輪からバルセロナ、アトランタ、シドニー……と現地へ家族3人で飛び観戦していました。
もう息子は独立していますから、パリ五輪は自宅で観ます。ただ、時差があるからなぁ。いつも朝が早いから夜も早く眠くなっちゃって、最近はリビングでソファに座ってテレビを見ていると、夜8時ぐらいからウトウト……。女房に「もう部屋に行って寝たら?」と促されて床につく、という感じなんです。だから、野球などのゲームの結果を知るのは翌朝で(笑)。
撮影のときも、遅くなると眠くなっちゃってね。夜8時、9時になって、まだ照明さんが「5分待ってください」なんて撮影を続けようとすると、他の俳優さんから「おい、早くしないと、亮ちゃんが寝るぞ」って言われちゃうんです。でも、他の人もホンネでは早く帰りたいんですよ。だから、僕をうまいこと使っているんです(笑)。
早寝早起きは若い頃から。オフクロが明治生まれでキチンとした人だったから、何もないからといって、昼頃に起きて家で日中、グダグダするような生活をしてはいけない、夜は早く帰りなさい、としつけられたんじゃないかと思います。
僕はオフクロが43歳のときの子ども。厳しかったけど、かわいがられたとも思います。ずっと一緒に暮らしていました。兄貴は順々にに独立して家を出て行ったから、最後に残った僕がオフクロと暮らしているところへ、女房が結婚して一緒に暮らしてくれたんです。今どき珍しいでしょ? でも、オフクロを置いて結婚するのはかわいそうだったから。女房は僕が舞台で1カ月も2カ月も家を空けると、オフクロと向かい合ってずっとご飯を一緒に食べてくれたんだから感謝ですね。
(第2回に続く)
◆取材・文/中野裕子(ジャーナリスト)撮影/山口比佐夫