20才で国内線に出場するために必要なAライセンスを取得し、本格的にレーサーデビューした近藤

20才で国内線に出場するために必要なAライセンスを取得し、本格的にレーサーデビューした近藤

近藤:ぼくはそういう推しはいないけど……レース界の先輩たちの存在が大きいかな。70代後半の経営者のかたが多いんですが、すごく前向き。みんなで集まったときに常に新しいことをしようとしているのを見ると、60才になって将来が不安とか悩むなんてまだまだだな、と思うんだよ。

三原:私もそのかたがたを知っていますが、すごくパワフル。自分たちのためじゃなく、次世代のために尽力したいという気持ちが強いのがわかります。

近藤:上の世代が元気だと頑張れるよね。

三原:先輩の中では、私たちまだ若造だもんね。

近藤:「なんでお前、まだ若いのにそんなことを言っているんだ」って言われている感じ(笑い)。

 いま思ったんだけど、60年間生きてきて、三原さんはいまがいちばん幸せなんじゃない? 大臣になる可能性があると噂されて、政治家として極めるところまで極め始めてる。そんな貴重な日に会えるってすごいハッピーだなと思った。

 ぼくも先日、日本武道館でコンサートをやったとき、始まった瞬間に「キャ~」って歓声が聞こえてきて、「もしかしたら、いまがいちばん幸せなんじゃないかな」って思った。若い頃はまさか60才になって武道館でコンサートができるなんて思ってなかったから。

 オープニングからどんどんファンの人たちの表情が変わっていくの。終わる頃になると、彼女たちが元気になって若返っているなって感じる。それを見ると、ぼくもうれしくなって、皆さんからパワーをもらっている。

三原:本当にすごいわね。そうやってみんな待ってくれているんだから。

近藤:ぼくが10~20代の頃から応援してくれるかたがメインなんだけど、男性も多いんです。昔の曲が流れた瞬間だけ、その曲が流行った当時の自分にみんなが戻ってる。その姿を見るのがうれしい。だから、ぼくも頑張んなきゃって。

──還暦はある意味、“新しい船出”ですね。

三原:お互い頑張りましょうね。

近藤:そうだね、とにかく健康には気をつけて!

(了。第1回から読む)

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