芸能

永六輔の孫、三木のり平の孫、東八郎の息子、渥美清の息子…「名人に二代なし」か「蛙の子は蛙」か? 高田文夫氏が綴る初代、二代目、三代目との付き合い

才能を発揮する二代目、三代目(イラスト/佐野文二郎)

才能を発揮する二代目、三代目(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、永六輔さんの孫、三木のり平さんの孫、東八郎さんの息子、渥美清さんの息子など才能を発揮する二代目、三代目について綴る。

 * * *
「名人に二代なし」。古くからこの芸界で言われていたが、古今亭志ん生と志ん朝親子をみてこの格言? 定義は全面的に否定されることとなる。しかし長嶋茂雄、一茂をみてるとまんざら間違いではないような。

 それでも蛙の子は蛙、カモメはカモメなのだ。大学を出て(キングオブコント・チャンピオン、ラブレターズの日芸の先輩)、この“芸能マスコミ”に55年もいると(団地だったら「そろそろ建て替えだ」大好きなNHK・BS『団地のふたり』で小泉今日子は言っていた)なにかと縁ができてくる。初代とつきあいを持たせてもらって二代目、三代目と目の前に現われてくる。“三代目”だからいいので“三台目”だったら中古車センターである。

 世話になったお方の三代目「永六輔の孫です。今回映画を撮りましたので早めに見て褒めて下さい」。言われるまま見た。心がホンワカするいい映画だった。来春公開らしいので、その頃詳しくお知らせするつもりだがタイトルは『うぉっしゅ』そう“洗う”という意味だ。ソープ嬢が祖母(研ナオコ)の介護をすることとなる。表で洗って、家でも洗って。なかなかのアイディアである。お祖父ちゃんゆずりの不思議なユーモアも散りばめられ、お祖父ちゃんゆずりの“認知症”という社会問題も散りばめられている。

「カイゴ、カイゴ、カイゴのシューリンガン」である(by寿限無)。

 そこへ「三木のり平の孫です。あるメディアで“三木のり平”の特集を組むので話をきかせて下さい」と言う。のり平先生(日芸の先輩)の息子が小林のり一(タレント・漫画家。2年前に亡くなった)。その息子である。どこか祖父、父の面影があって嬉しい。

 それにしてもたて続けに孫に会うとは。私の身近には東八郎の息子、東MAX(貴博)がいる。舞台でからむと必ず私が「あれっ? 最近お前のお父さん、見かけねぇな」「……」「売れてねぇのか? 干されてんの? 不祥事?」。ここで東が思いきりMAXで怒って「死んじゃったんだよ! あんた通夜来たろ!」(大爆笑)という定番ネタがある。

 そしてかつて渥美清の息子というのがもの凄くいい成績でラジオのニッポン放送へ入って来て、すぐに私の番組にディレクターとしてついた。なかなか優秀で、渥美氏の葬儀の時私に耳打ちして「私が喪主あいさつしますので、11時55分頃スタジオとつなぎましょう」。お陰で私の番組だけが渥美清葬儀の模様を生中継できた。あいさつも子寅はピタリ時間通り終えた。マスコミ職人である。

 追加するなら一応、私はなべおさみの息子、なべやかんの名付け親でもある。

※週刊ポスト2024年11月8・15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
反日的言動の目立つ金民錫氏(時事通信フォト)
韓国政権ナンバー2・金民錫首相の“反日的言動”で日韓の未来志向に影 文在寅政権下には東京五輪ボイコットを提起 反日政策の先導役になる可能性も
週刊ポスト
6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン