国内

10月の衆院選では「失態は許されない」中で行われた要人警護・警備 ”見せるか見せないか”で異なるその手法

2024衆院選。石破茂首相の演説会場で手荷物検査を受ける来場者(時事通信フォト)

2024衆院選。石破茂首相の演説会場で手荷物検査を受ける来場者(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、時代や世相など状況によって変化してきた要人警護・警備のポイントについて。

 * * *
「今年の選挙は大変だった。大臣クラスの候補者が街頭演説を行う時も、著名な政治家が応援にくる場合も厳戒態勢。急に決まって準備にする時間もなかったが、失敗は許されない。寝る間もなかった」と10月に行われた衆議院議員選挙の警護・警備について、警察官らの間ではそのような声が多かったと聞く。

 東京都の某選挙区で大臣クラスの候補者の身辺警護にあたったという警察官は、こんなことを言っていた。「ずっと警護につかなければならない候補者がいたので、これまでになく緊張感のある選挙だった」。この数年、この警察官の所轄エリアになる都心近郊の選挙区には大臣クラスの候補者がいなかったが、石破政権の組閣で警護対象となる候補者が出たという。警察官は、「ひと昔前は、ボディーガードなど身辺警護をするSP以外、聴衆に警備をしている姿を見せない手法が中心だったが、今は見せる警備に変わってきた。多くの警察官が警護や警備をしている姿を見せることが、テロなどへの大きな抑止力になっている」と話す。

 選挙戦を取材していた某新聞の記者は「今回の警備・警護は、これまで以上に態勢が強化されていた。安部晋三元首相の銃撃事件以来、初めての大型国政選挙だから、警察も必死だったんだろう」と話す。「2023年4月には応援に出向いた演説会場で、岸田文雄前首相に向かって爆発物が投げ込まれるという事件もあった。連続して国のトップが襲撃を受けるのを阻止することができなかった警察に、これ以上の失態は許されなかった」(記者)。

 多くの選挙区で、これまで以上に多くの警察官が警備・警護に動員され、公園などでの演説では聴衆が近づきすぎないよう演台と聴衆との間に距離を置き、聴衆用のエリアを設置。集まった人たちに金属探知機で手荷物検査を行ってから、エリアに誘導。演台の背後には後ろからの襲撃を回避するための防弾用の板が設置されたという。警備の死角が出ないよう多くの警察官が候補者に背を向け聴衆に向かって立ち、不審者がいないか目を光らせていたこともあり、大きな事件もなく選挙は終わった。

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段通りの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
《名誉毀損で異例逮捕》NHK党・立花孝志容疑者は「NHKをぶっ壊す」で政界進出後、なぜ“デマゴーグ”となったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン