事件があったススキノのホテルの浴室(利用者提供)
「せめて通報してくれたら、早く頭部が返ってきた」
求刑手続きの最後に、検察官は被害者ならびに遺族の心情を代弁した。
「SMプレイと称し縛られたところを突然複数回刺されて殺害されたうえ、首を切られ、皮膚や目を取られ、瓶詰めにされて撮影されるなど、その屈辱は想像を絶する。
また、殺害自体が衝撃的であるうえ、頭部がなかった遺族の衝撃や混乱は計り知れない。被害者遺族の(Aさんを)弔いたい気持ちは当然だが、頭部がないことで望む形で弔うことができず、特に長男は皮を剥がされて損壊されたことに強い憤りを感じている。遺族が処罰を求めるのは当然。
修被告は瑠奈被告の損壊行為を止めることもせず、自分が逮捕されるからと通報もしなかった。せめて通報してくれたら、早く頭部が帰ってきたはずであり、Aさんの頭部は悲惨な状態になるまで損壊されずに済んだ」(検察側の論告)
計画的かつ残虐な瑠奈被告の犯行のほぼ全てに関与した修被告の罪は、ほう助の中でも極めて重いと考えられるため、過去の量刑相場などを鑑みたうえで、検察側は懲役10年を求刑した。
修被告の罪を、裁判所はどう判断するのか。判決は3月12日に言い渡される予定だ。
◆取材/高橋ユキ(ジャーナリスト)
