ライフ

脱毛エステ「通い放題」契約で支払いトラブル依然多発、20代、30代で注意が必要、女性だけではなく男性も、東京都が注意を促す

脱毛エステ「通い放題」契約で支払いトラブル依然多発(写真/イメージマート)

脱毛エステ「通い放題」契約で支払いトラブル依然多発(写真/イメージマート)

 脱毛関連のニュースが連日続いているが、医療脱毛の問題ではなく、今回はエステ脱毛の問題が報告されている。

 エステ脱毛は2020年代に入って大手の経営破たんによって、施術や返金が受けられなくなる問題が大きくなっている。そうした中で、通い放題や無料体験といった広告の問題が指摘されるようになってきたが、東京都によると、依然としてこれをきっかけにしたトラブルが続いているようだ。

「通い放題」依然トラブルに

 東京都消費生活総合センターが2025年2月に解約トラブルについて注意喚起している。

 2023年度のデータでは、脱毛エステに関する相談件数は総数1404件で、そのうち29歳以下が65%を占めている。次いで30代が420件(20%)。

 トラブルの原因は「通い放題」をうたう長期契約。SNS広告や無料体験をきっかけに店舗を訪れ、その場で高額な契約を結ぶケースが目立っている。

 20代男性が全身脱毛2年通い放題コース(約34万円)を契約したものの、1年経過後に予約が取りづらくなり、解約を申し出たところ「契約は1年で、2年目はサービス。解約はできない」と告げられたという。

 その結果、支払いが続き、返金もできない状況に陥ったという。

 脱毛では、サロンの運営会社が経営破たんすることで問題が鮮明になるケースが目立っているが、通常の解約でもトラブルが起きている実態がある。

契約内容の不理解が原因、契約時の慎重な判断が重要

 東京都消費生活総合センターでは「契約期間」「施術回数」「サービス期間」「月々の支払い」「総額」「解約時の条件」など、すべての契約内容を契約書面で確認することを強く呼び掛けている。

 興味深いのは、東京都が注意喚起のために使っている漫画の登場人物が男性であること。前述の相談事例も男性だった。脱毛は女性が利用するイメージがあるかもしれないが、今や男性の利用者も増加している。

 男性の脱毛への関心は高まっているが、こうしたトラブルが起きていることを男性も認識する必要がある。

参考文献

東京都消費生活総合センター「脱毛エステに関する相談事例と注意喚起」(2024年2月27日)

アリシアクリニック経営破たん、返金トラブル急増、医療サービス相談が2024年12月に3倍超、東京都が公表した実態

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

ヒフコNEWS

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

関連キーワード

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン