国内

山口組がナンバー2の「若頭」を電撃交代で「七代目体制」に波乱 司忍組長から続く「弘道会出身者が枢要ポスト占める状況」への不満にどう対応するか

六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長

六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長

 六代目山口組が神戸山口組と「抗争終結宣言」をしたことで、10年間にわたる山口組分裂抗争が事実上“終結”した。

「六代目側は兵庫県警に抗争を終結する誓約書を手渡し、直参組長には“今後一切の揉め事を起こしてはならない”と厳命を下している。一方的な宣言に対して神戸山口組、絆會らも表立った動きを見せておらず、静観を続けている」(実話誌記者)

 抗争終結にあたり催された緊急集会でナンバー2の高山清司若頭は直参組長を前にして「六代目山口組は前進あるのみ」と言葉を発したというが、早速、動きが見られた。

「4月18日、高山若頭が新設ポストの“相談役”に就任し、若頭に竹内照明若頭補佐(弘道会会長)が就くことが決まった。これまで司忍組長は、『抗争が終結するまで人事を大きく変えない』という方針を貫いてきた。また、若頭は事実上組織運営のトップを担う役職。そのため竹内七代目体制への移行が始まったと見られている」(同前)

 竹内会長はそれまでの若頭補佐のなかでもっとも若い65歳だ。司組長が六代目に就任したのは63歳。警察やメディアの間では抗争を指揮した「高山七代目」が既定路線だと見られていた。警察関係者も警戒を強める。

「いまの組織内で高山若頭に物申せる組長はいない。山口組の歴史で“相談役”というポジションはなかったため、どういう形で組織に携わるかは不透明だが、強い影響力を残すのは間違いない」

 竹内若頭は司組長、高山相談役の出身母体である弘道会出身。これで3代続けて弘道会が若頭を占めることになる。

「いまの山口組で弘道会はもっとも大きな組織ですが、何十年も中心ポストを独占することをよく思わない直参組長もいるでしょう。山口組を長年支えてきたのは関西の組織が多く、今回の分裂抗争においても神戸山口組の井上邦雄組長は、弘道会出身者が組織の主要ポストを占めていたことへの不満が分裂に至った理由の一つと言われている。

司組長もこうした懸念を抱いていると言われていて、今後、組織の人事をさらに行なうと見られている」(前出・実話誌記者)

 前出の通り、井上組長らは静観を続けたままで動向は不透明。警察の特定抗争指定の再延長も一定期間続くと見られる。山口組の内憂外患は続く。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
「全てを話せば当然、有罪となっていたでしょう」不起訴になった大物地面師が55億円詐欺「積水ハウス事件」の裏側を告白 浮かび上がった“本当の黒幕”の存在
週刊ポスト
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
「お笑い米軍基地」が挑んだ新作コント「シュウダン・ジケツ」(撮影/西野嘉憲)
沖縄のコント集団「お笑い米軍基地」が戦後80年で世に問うた新作コント「シュウダン・ジケツ」にかける思い 主宰・まーちゃんが語る「戦争にツッコミを入れないと」
NEWSポストセブン
神谷宗幣氏(写真中央)が率いる参政党は参院選で大躍進した。東京選挙区でも塩入清香氏(右)が当選(2025年8月写真撮影:小川裕夫)
《午前8時の”異変”》躍進した「参政党」、選挙中に激しい応酬のあった支持者と反対派はどこへ?参院選後の初登院の様子をレポート
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン
ブラジルの元バスケットボール選手が殺人未遂の疑いで逮捕された(SNSより、左は削除済み)
《35秒で61回殴打》ブラジル・元プロバスケ選手がエレベーターで恋人女性を絶え間なく殴り続け、顔面変形の大ケガを負わせる【防犯カメラが捉えた一部始終】
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月12日、撮影/横田紋子)
《麗しのロイヤルブルー》雅子さま、ファッションで示した現地への“敬意” 専門家が絶賛「ロイヤルファミリーとしての矜持を感じた」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
三原じゅん子氏に浮上した暴力団関係者との交遊疑惑(写真/共同通信社)
《党内からも退陣要求噴出》窮地の石破首相が恐れる閣僚スキャンダル 三原じゅん子・こども政策担当相に暴力団関係者との“交遊疑惑”発覚
週刊ポスト