“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
おかっぱ頭に黒縁トンボメガネがトレードマークの“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さん(79)。1980~1990年代に歌謡バラエティー番組『街かどテレビ11:00』(TBS系)のサブ司会や、ワイドショー『スーパーワイド』(TBS系)の新聞記事紹介コーナーで人気を獲得。バラエティータレントとして、『痛快なりゆき番組 風雲! たけし城』(TBS系)などでも活躍した。
しかし、10年前に大病を患い、私生活でも大きな出来事があったという。東京・自由が丘の喫茶店で本人と待ち合わせると、おなじみのおかっぱ頭と大きな黒縁メガネ姿で現れた──。【全3回の第1回】
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「今も司会の仕事をしていますよ。79歳ですから、現役最高齢司会者じゃないですか。日本司会芸能協会の会長を8年間務め、現在は名誉会長をしていますので、自治体主催のイベントや、弁護士、医師の集まりなどカタい仕事が多いんです」
79歳で現役とはスゴイ。そんな司会業が月1〜2本かと思えば、「いやいや! もっとありますよ」と胸を張る大木さん。忙しいようだ。
「いや、あんまり忙しくない……。コロナ禍を境に仕事が減っちゃいました。僕だけじゃなく、会員からの『仕事ができない』『生活できない』という相談や、お客さんからの『払い戻ししろ!』という要求をたくさん受けて大変でしたよ。今もコロナは変異株が出てきているし、インフルエンザの流行もあるし。加えて、国立劇場や中野サンプラザといった大きな劇場が建て替えでしょ。協会のイベントの劇場探しだけでも、なかなか簡単にはいかなくて」
そう言いながら、ポケットから取り出した紙ナプキンで両目を押さえた。悔しさから想いが込み上げてきたのだろうか。