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大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も

前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)

前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)

 大谷翔平(30)の所属するドジャースが緊急事態に見舞われている。主力投手が相次ぐ故障で戦線を離脱。そうしたなかで大谷の「二刀流復活」に注目が集まるが、そこには重大な不安要素がつきまとう──。

 5月3日(現地時間)のブレーブス戦前に今シーズン8度目となるブルペンでの投球練習を行ない、今年最多の35球を投げ込んだ大谷。最後にこの日最速となる151キロを出し、ロバーツ監督も「強度が上がってきている」と笑顔を見せた。

 2度目となる右ヒジの手術を経て、大谷の投手復帰はこれまで慎重に準備が進められてきた。開幕後、その時期は当初の5月下旬から、オールスター明けの7月後半に修正されたとみられていた。

 しかし、ここにきてドジャースの先発陣に故障者が続出。大谷の投手復帰が早まる可能性が浮上してきたという。

「4月にブレイク・スネルとタイラー・グラスノーという左右の先発エースが相次いで戦列を離れた。中継ぎも含めて投手陣が次々と負傷者リスト入り。ロバーツ監督は大谷の投手復帰が早まる可能性について『他の選手と翔平のプロセスは全く関係しない』と表向きは否定するが、ブルペンデーで凌ぐような状況が続けば、大谷の投手復帰が前倒しされる可能性はある」(スポーツ紙デスク)

 大谷自身は、昨季のワールドシリーズ制覇後に「(今季は)ピッチャーに比重がかかる」と宣言するなど、強い意欲を見せてきただけに、チーム事情で二刀流復活を急がなくてはならない状況を後ろ向きには捉えないだろう。ただ、もともとシーズン途中での二刀流復帰には大きな不安要素があることは見逃せない。

 通常、故障明けの投手は実戦感覚を取り戻すためにマイナーリーグで登板し、1A、2A、3Aとランクを上げながら1~2試合ずつ投げるプロセスを踏む。

 しかし、二刀流である大谷の場合、「不動の1番打者」として打線の核を担っているという特殊事情がある。打者としてメジャー出場を続けるためには、投手としてマイナーでじっくりと調整する機会が失われるのだ。

『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2025』の編著者の友成那智氏はこう言う。

「エンゼルス時代の2020年に1回目のトミー・ジョン手術から復帰する時は、メジャー登録を抹消せずにマイナー相手に登板させていくプランなどが練られたが、結果としてこの年はコロナ禍で開幕が7月にずれたため、調整のやりくりで苦労せずに済みました」

 つまり、前回の投手復帰時には頭を悩ませずに済んだ問題と向き合う必要が出てくるのだ。

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