育つのを待つのではなく、育てろ
ソフトバンクとの2対1の交換トレードで、大化けの可能性を秘めていた秋広優人を放出したことについても、こう評した。
「秋広は背が高くてどうかなあと思ったが、自分で努力してだんだんよくなってきた。今の戦力が歳をとった時に、次の戦力を育てられているかが見どころなんです。うまく育てられないからと簡単にトレードに出す。それじゃチームは強くならない。誰かが育つのを待つのではなく、育てるんです。そのためにはチーム内にライバルを作ること。これが今のジャイアンツに最も欠けているところ」(広岡氏)
秋広、大江と2対1のトレードで獲得したリチャードが、7番・サードで出場した移籍後初のゲームで本塁打を放つと、阿部監督は翌日のゲームでリチャードを5番に抜擢。5番・一塁で6打数4安打だった増田陸を2番に上げ、2番・レフトだった若林楽人はスタメンから外れた。この日、リチャードは3打数無安打だった。
「1年目の阿部はよくやっていたが、だんだんダメになる。結果論でオーダーを毎日変えすぎる。アメリカの真似をしてクリーンアップを打っている選手を2番バッターに置いたりする。1、2番の役割というのは、ピッチャーにできるだけ球数を投げさせ、相手ピッチャーを苦しめるとともに、クリーンアップにできるだけ多くの球を見せること。
粘った末にランナーに出てクリーンアップが掃除する。それが日本の野球。日本の選手がアメリカのやり方を真似するのは間違い。そういった打順の役割を日頃から考えていないからコロコロと打順を変えてしまう。さらに恐いのは、そんな巨人のやることを他球団が真似をすることなんですよ」
主砲不在のチームを率いる阿部監督にレジェンドの声は届くだろうか。