『THE SECOND~漫才トーナメント~2025』は5月17日放送 Ⓒフジテレビ
フジテレビ問題をネタに織り込んだ芸人たち
――日置さんが予想していた通り、芸人たちにはフジテレビの現状をうまくイジられましたね。でも、そうやってイジられるくらいの方が気持ちも楽になるんじゃないですか。
日置 楽にはならないです。重くなります。でも、お笑い芸人の宿命上、ウケるものは言うと思うんです。でも、ウケるということは民意なわけですから。僕らは胸が痛いところもありますけど、お客さんがあれだけ笑っているということは、そういうことでしょって僕は思うので。言われてムカついたから不合格みたいなことは絶対にないですし。
――アモーンが選考会を初めて突破していましたもんね。2人は「フジテレビを立て直しに来ましたーっ!」のつかみで、大爆笑をさらっていました。
日置 プロだな、と思いましたね。真っ直ぐではない、絶妙な言葉の選択で。あのとき、お客さんが拍手していたんです。なので、これは文句なしでしょう、という感じでいました。
――変わらなきゃ、という空気は現場にもあるのですか。
日置 ダメです、変わらないと。変わらなきゃいけない。ただ、僕は経営のことを学んだこともないし、番組を作ることしかやってこなかったので、どうしたらいいのかもわからないんです。これまでと同じように番組を作るしかないんですけど、それだけじゃダメなんだよ、と言われるかもしれない。芸人さんにもネタの中でイジられましたけど、フジテレビもTHE SECONDなんですよね。なので、出ている芸人さんに自分たちを重ね合わせてしまうところもあります。ただ、THE SECONDは視聴者のための番組だし、芸人さんのための大会なので、思い入れが強くなり過ぎるのもよくないなと思っています。そうすると、大会のコンセプト自体が変わってきてしまうので。
【後編に続く】
日置氏が番組への思いと苦悩を語った(撮影/山口京和)