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お笑い賞レース乱立時代に「THE SECOND」はどう差別化を図るか? 総合演出・日置祐貴氏が語った「参加コンビ数“横ばい”の現状」「ベテラン漫才師の強み」

『THE SECOND』総合演出の日置祐貴氏(撮影/山口京和)

『THE SECOND』総合演出の日置祐貴氏(撮影/山口京和)

 5月17日に放送される漫才賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」(フジテレビ系)は、結成16年以上のベテラン漫才師が鎬を削る大会だ。M-1グランプリ、キングオブコント、ピン芸を競うR-1グランプリに加え、女性芸人のみのTHE W、今年7月に第1回大会が開かれる「ダブルインパクト」と“お笑い賞レース乱立時代”の様相を呈しているなかで、総合演出を務める日置祐貴氏に、THE SECONDの現状と戦略を聞いた。(聞き手/ノンフィクションライター・中村計)【前後編の後編】

――エントリー数は第1回大会が133組、第2回大会が133組、そして今回は140組と、相変わらず横ばいです。

日置 大きく増えることはないのだと思っています。というのも大会規定の16年以上続いているコンビやグループというのは年々、増えた数と同じくらい解散もしていると思うので。1つのコンビで16年以上続いているというだけで、すでに小さな奇跡じゃないですか。

――140組の中で3年連続で出場している人は何割くらいいるものなのですか。

日置 おそらく、ほとんどが3年連続で出場している方たちだと思います。Dr.ハインリッヒは第1回大会には出てくれて、2年目は休んで、今大会はまたエントリーしてくれました。昨年はネタを貯める年に当てたそうです。そういうコンビもいるんです。今年は見取り図が初エントリーしてくれたのですが、あれは嬉しかったですね。彼らは第1回大会のときすでに参加資格があったので、お会いしたときに何度か「こういう大会をやっているのでよかったら……」くらいの話はさせてもらっていたんです。ただ、いつも「今出ても戦えるネタがないので、いいネタができたら出たいと思っています」という返答だったんです。ノックアウトステージの「32→16」で敗れてしまいましたけど、言葉通り、本当におもしろいネタを持ってきてくれました。

――最初の関門、選考会では140組から一気に32組まで絞られました。昨年のファイナリストでもあった6組は選考会免除なので、実質26組ですね。

日置 今年は5日間の選考会を見終えたあと、さらにVTRを4日間かけて見直したうえで選びました。20人ほどのスタッフや放送作家で、まずは予備審査の点数順にネタを見ていくんです。これはそこまで高くないんじゃないか、この組はこんなに低くないだろう、という感じで意見を言い合いながら。50組くらいまでは割とすんなり絞れるのですが、そこからが毎回、大変なんですよね。第一段階としてポットA(※)に入る上位8組を選んで、そこからさらに残り18組を選んでいく。ここまでくると、もうほとんど点差はないんですよ。なので、まったく毛色の違う組がいいんじゃないかとか、昨年のファイナリスト、たとえば金属バットとやって勝てるかどうかとか、いろんな角度から見ていって、何とか絞っていくという感じです。

(※)選考会のネタが観客を湧かせ、選考委員の高評価を得た上位8組を「ポットA」として選出している。

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