石破茂・首相(時事通信フォト)
同席した太田側近の元府議にも取材した。最初は「私は太田さんの隣りに座っていたけど、あり得ない」と否定していたものの、その後、電話でこう付け加えてきた。
「あの時は、確か会計が8万9000円で中山さんがクレジットカードで支払いをしてくれたから、太田さんがその支払いは自分がすると言って封筒を出したことはあった。私たちの世界では支払いをあらかじめ封筒に入れて用意することはよくある。そのことをお金を渡そうとしたと勘違いされたのではないか」
太田氏は現金を入れた封筒を持っていたが、選挙に絡んだものではないとする説明だった。
一方でその後、やはり自民党大阪府連の元代議士であるC氏からも、匿名を条件に証言を得た。
「私のところに何度も太田さんが来たんです。それである時、封筒を出そうとしたから断わったんです。6年前ではなく、今回の参院選の話です。あの封筒にはどう見ても現金が入っていましたね。書類なんかじゃなかった。もう買収ですよ。裏金問題でこれだけ自民党が叩かれているのに、まだやっているのかと」
太田氏側は「全くの虚偽です」
太田氏はどう説明するか。本誌が事務所に質問状を送ったうえで本人の携帯電話にかけると、「話す気はありません。こんなバカなこと」と話し、その後太田氏の代理人弁護士から文書で回答書が送られてきた。
〈太田房江氏が資金提供を申し入れた、増額を申し出た、預けた、提供した、配布しようとした、持参して拒否された、現金を取り出そうとした、渡そうとした等の記述につきましては、いずれも該当する事実はなく、全くの虚偽であります。太田氏の公認報道に接し、その活動を妨害せんとするために意図的に虚偽の事実を捏造し、貴誌を通じて流布せんとしているものと推測され、太田氏としても憤りを禁じ得ないところです。貴誌におかれて、太田氏に対する名誉棄損行為が認められる場合には、厳正な対応を行うこととなります。なお、一般論として、党員拡大等の目的でさまざまな働きかけが行われること自体については、なんら違法性なきものであり、ご質問においては、この点に関する誤導がなされるおそれが認められますので、念のため付言します〉