劇団の先輩・後輩として出会った2人
「すでに持っているのに、再放送されると録画してしまい『あれ、持ってたな』と後で気付いたり。見返したりはしないから、なんのために録っているのか、よくわかんないんですよね(笑)」
そんな北村さんを、夫人で劇団昴の女優・磯辺万沙子さんが、隣で温かく見守っている。「捨てたら?」と促すことはないそうだ。
「私のほうが怠け者なので、主人に『捨てろ』と言われているくらいで(笑)。主人には世話を焼きすぎないようにしていますね。そのほうが、自分で何とかしなくちゃ、と思うようです。最近は、電車の乗り換えやタクシーを呼ぶのも1人でできるようになりました」と万沙子さんは微笑む。北村さんは長年、車を運転してきたが、万が一のことを考え、昨年、正式に免許を返納したという。
「改めて僕は思うんですけど、車がないとデパートへ買い物に行くにも、稽古場に行くにも不便ですね。でも、電車やバスを使うしか、しょうがない。おかげでよく歩くようになりました。電車で握手を求められること? 帽子を被って、マスクをしていますが、ときどきあります(笑)」
北村さんが元気なのには、万沙子さんお手製のスムージー──豆乳やブロッコリー、キウイ、アボカド、ブルーベリー、パイナップルのほか、プロテインなどを入れたドリンクも、一役かっていそうだ。
「元気でいられるのは、女房のおかげです。今、横にいるから言ってるんじゃなくて、心からそう思っています。僕が仕事で早朝に起きて出かけなきゃいけないときも、必ず先に起きて朝飯を用意してくれます。僕だったらできませんから」
万沙子さんは「そんなに大したことじゃない」と謙遜するが、役者の生活は不規則。夫で役者の北村さんを支え続けるのは、大変な苦労もあったのではないだろうか。