飲み続けるとEDリスクがある薬(その4)
抗うつ薬によるED発生率の高さは海外の研究でも確かめられている。室井氏が言う。
「米精神薬理学誌に2009年6月に発表されたイタリア・ボローニャ大学の研究では、海外31本の論文で計数千人分のデータを分析した結果、ED発生率はSSRIの『パロキセチン』で64%、SNRIの『ベンラファキシン』で75%という結果でした。つまり、これらの抗うつ薬を服用する男性が100人いたら、7割前後がEDになる可能性があるということです」
もちろん副作用のEDリスクを気にして治療や薬の服用をためらうのは本末転倒だ。しかし、永井医師はこう話す。
「例えば降圧剤の場合、ARBやACE阻害薬などEDの副作用リスクが低い薬に変更できるケースがあります。複数の薬を併用している場合は、減薬することでEDリスクを減らせる可能性もある。
まずは自分が飲んでいる薬にEDの副作用リスクがあるかどうかを知っておくことが大切です。そのうえで、服用薬がリストに該当し、実際にEDに悩んでいるという人は、恥ずかしがらずに医師に相談してください。くれぐれも自己判断で服用をやめてはいけません」
持病の症状を抑えながら、EDのリスクも減らす。その両取りを諦めてはいけない。
※週刊ポスト2025年5月30日号