副作用でEDになるリスクがある薬も(イメージ)
薬の副作用のなかで、見逃されやすいのが「ED(勃起不全)」だ。医者や薬局が率先して説明せず、自分からも聞きづらい。結果、EDの副作用を知らないまま服用しているケースが多いのだという。本誌『週刊ポスト』は国内で処方されている薬の添付文書を徹底調査。副作用でEDリスクのある薬を実名リストにした。
泌尿器科学会が明記
日本性機能学会と日本泌尿器科学会が2018年に編集した『ED診療ガイドライン[第3版]』では、加齢の他、糖尿病などの生活習慣病、肥満や喫煙といった主な12のリスクファクターのなかに、「薬剤」が挙げられている。同ガイドライン作成に携わった泌尿器科専門医の永井敦医師(川崎医科大学附属病院病院長)が語る。
「ガイドライン掲載のリスクファクターに挙げた薬剤の項目には、降圧剤のほか前立腺肥大症に使われる排尿改善薬、抗うつ薬などが記載されました。それらの薬の長期服用により、副作用でEDの発現率が高くなる可能性があるのです」
他の薬の副作用と違ってやっかいなのは、EDの場合、服用する患者にそのリスクが周知されていないことだと永井医師は言う。
「医者も薬局も積極的に説明しないケースが多く、EDリスクを知らずに服用している患者が散見されます。患者自身、薬の服用後にEDに悩みながら恥ずかしくて相談できなかったといったケースが珍しくない。本来、性の問題は誰にとっても他人事ではなく、性生活の充実は健康長寿に密接に関係します。“薬剤性ED”は放置すべきではない重要な問題だと考えています」
どんな薬に男性機能を損なう副作用リスクがあるのか。本誌『週刊ポスト』は、医薬品の承認審査や市販後の副作用事例について情報収集を行なう公的機関・PMDA(独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」)のホームページにある医療用医薬品の添付文書から、副作用に「勃起障害」「勃起不全」「勃起機能不全」「インポテンス」のいずれかが記載された医薬品(内服薬の先発品・準先発品)を抽出して別掲の表にまとめた。
「医薬品メーカーによって表記は統一されていませんが、表にある副作用はすべてEDを指します」(同前)