宮城野親方(中央)が退職届を提出(写真・時事通信フォト)
元横綱・白鵬の宮城野親方が相撲協会を退職することは決定的とみられる状況だ。5月場所千秋楽の翌日、師匠である伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)を経由して相撲協会に退職願を提出しており、6月2日の臨時理事会で受理される方向で調整されているという。協会関係者が言う。
「協会は提出されてすぐに受理というかたちは取らず、預かり扱いにした。ただ、引き留めるわけではなく、8年ぶりの日本出身横綱となる大の里の一連の昇進イベントが優先されたため。報告を受けた協会トップの八角理事長(元横綱・北勝海)は“辞めたい者は辞めればいい”という方針で、執行部は退職届を受理する方向で動いているわけです」
弟子の元前頭・北青鵬の暴力事件に対する監督責任を問われた白鵬は2階級降格と部屋閉鎖の処分を受け、昨年4月に弟子とともに伊勢ヶ濱部屋に転籍。部屋付き親方としてまわし姿で後進の指導をしていた。この閉鎖がいつまで続くのか、理事会でも議論されないまま1年が過ぎたことへの不安や不満が爆発したとされている。
同時に6月9日に伊勢ヶ濱部屋を同じモンゴル出身の後輩横綱である照ノ富士親方が継承すると決まったことも、退職への決意を固める要因になったとされる。2017年にモンゴル出身の力士らが集まった酒席で暴力沙汰が起きた“鳥取事件”以来、両者には確執があった。照ノ富士親方からすれば、伊勢ヶ濱部屋の先輩横綱だった日馬富士がすべての責任を負って退職していったことにも納得していなかったという。