弔問に訪れた王貞治氏を、一茂と三奈が出迎えた

弔問に訪れた王貞治氏を、一茂と三奈が出迎えた

「相続放棄をしていますから」

 病に倒れてなお、太陽のように燦々と輝き続けた長嶋さん。しかし、その強い光が家族に影を落とした。

「長嶋さんの復帰時期をめぐって家族間で考えのすれ違いが起きていたんです。心配する多くのファンを安心させたいと復帰を急ぐ一茂さんに対し、三奈さんは“元気な長嶋茂雄”を取り戻してからと考えていた。結局、脳梗塞で倒れた翌年の2005年7月、東京ドームで488日ぶりに姿を見せた長嶋さんに付き添っていたのは一茂さんで、三奈さんの姿はありませんでした」(前出・長嶋家の知人)

 さらに2007年、家族の亀裂を決定的にさせることが起きてしまう。亜希子夫人が心不全で急逝したのだ。64才だった。

「一茂さんと三奈さんの間をうまく取り持っていた亜希子さんが不在になってしまったことで、兄と妹の間にできた溝はさらに広がっていきました」(前出・長嶋家の知人)

 亜希子夫人が代表取締役を務めていた個人事務所「オフィスエヌ」は三奈が継いだ。

 一茂はひとり暮らしになってしまった長嶋さんを喜ばせようと、幼い双子の娘を連れて長嶋さんの元を訪れていた。

「ところが三奈さんも張り合うように実家に立ち寄るようになり、一茂さんもいつしか足が遠のくようになってしまった」(前出・長嶋家の知人)

 以来、公の場に登場する長嶋さんに付き従うのは三奈で、一茂との距離は開いていった。

 昭和のスーパースターだった長嶋さんには、20億円もの資産があるといわれていた。
「うちは、相続放棄をかなり前からしていますからね」

 2022年、『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演した一茂はそう話し、家族との縁が切れていることを示唆したこともあった。長嶋さんの葬儀の喪主を、長男の一茂でなく、次女の三奈が務めることからも、兄妹間の遺恨をささやく声は聞こえてくる。

 しかし、長嶋さんの晩年、状況が変わっていたようだ。

「“病魔に負けない”そんな思いでリハビリに励み、人前に出る長嶋さんの姿に、多くの国民が感動を覚えました。その光景に一茂さんと三奈さんの考えも変わり、兄妹関係が次第に修復されていったようです」(別の長嶋家の知人)

 長嶋さんの自宅は、2018年頃に大幅なリフォームが施された。

「道路に面する門の段差にはスロープが設けられ、玄関を入ってすぐのところにも手すりが取り付けられたほか、自宅は完全バリアフリーになりました。その費用の一部を一茂さんが出したそうです」(前出・別の長嶋家の知人)

 冒頭のように、長嶋さんの遺体が自宅に戻ったとき、一茂と三奈が揃って迎え入れた。

「2人が並んでいる姿を、本当に久しぶりに見ました。長嶋さんにとって、一茂さんと三奈さんの関係は心残りだったはずです。最後にこうやって家族が集まれたことに、天国の長嶋さんも喜んでいるのではないでしょうか」(前出・別の長嶋家の知人)

 2025年は、「昭和100年」にあたる年だ。その節目に、昭和日本を彩った長嶋さんが旅立った。ひとつの時代が終わろうとしている。

(前編を読む)

※女性セブン2025年6月19日号

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