ピットブルは米軍関係者の飼い犬だった(米軍住宅参考画像)
自宅で飼育されていた大型犬が逃げ出し、別の飼い主の女性が散歩させていた小型犬にかみついて殺したのだ。大型犬はリードを付けて散歩させていた小型犬に飛びかかったとされる。こちらの大型犬については、「ピットブルではなかったものの、ピットブルと同じような闘犬種だった」(地元関係者)という。
4月から5月にかけて相次いだ、これらの咬傷事故に共通しているのは、双方ともに沖縄が関わる特殊事情が背景にあることだ。
「いずれの犬も米軍関係者の飼い犬だったのです。民家の庭に入り込んで飼い犬をかみ殺した金武町のピットブルについては、アメリカ海兵隊員とその家族が飼っており、海兵隊員の自宅から逃げ出した後に徘徊し、事故を起こしています。一方、沖縄市の事案では飼い主が在沖アメリカ軍で勤務する軍属でした。
現場となった金武町には、海兵隊基地のキャンプ・ハンセンが、沖縄市には空軍基地の嘉手納飛行場がそれぞれあり、アメリカ軍関係者の住民が多い。これら基地周辺の街では、大きな犬を連れて散歩するアメリカ軍関係者とみられる外国人の姿を見かけることは少なくありません。中部に被害が集中しているのは、こうした事情も関係しているようです」(同前)
前出のジャスティン・ティンバーレイクをはじめとして愛犬家のハリウッドセレブの間でも、ピットブルをはじめとした闘犬種の人気は高い。一方で、闘犬として生まれたこともあり、突出した戦闘能力と獰猛な一面も併せ持ち、アメリカ国内の一部の州では「危険犬種」として飼育が規制されてもいる。「アメリカ軍関係者の中には、本国のような規制のない日本での勤務を好機と捉えて、飼育を始める者も少なくない」(同前)という。
沖縄でピットブルにまつわる事件・事故が多発するのには、こうした事情も関係しているとみられるが、問題は他にもある。