確保されたピットブルは体長約1メートルの雄
「ピットビルやロットワイラーなどの闘犬種については、基地内にある米軍家族住宅での飼育は原則禁止になっています。ただ、基地外に住むアメリカ軍関係者についてはこうした規制の対象外となっているのです。
金武町や沖縄市などの基地周辺自治体には、アメリカ軍関係者が住む、いわゆる『米軍住宅』が複数ありますが、彼らは基地内のルールの枠外にいる。問題なのは、自治体側が彼ら基地外に住むアメリカ軍関係者の家族構成やペットの数を把握できていないことです。ですから、犬の飼い主に義務づけられる狂犬病の予防接種さえきちんと行われているかもわからない状況です」(同前)
こうした問題が引き起こされる原因のひとつになっているのが、日本とアメリカの間で結ばれた「日米地位協定」だ。
米軍関係者の飼い犬は実態不明
日本に滞在するアメリカ軍の軍人や軍属、家族の地位について定めたこの協定については、アメリカ軍関係者が刑事事件を引き起こした際の身柄引き渡しの問題など、アメリカ側にさまざまな“優遇”がされる点などが繰り返し議論になってきた。基地外のアメリカ軍関係者の飼い犬の扱いについても、この取り決めがある種の障壁になっているというのだ。
「地位協定に基づいて日本に在留するアメリカ軍関係者は、基地内ではアメリカ国内に居住しているのと同じ扱いになり、アメリカ国内の法規の適用範囲内となる。基地外では、原則、日本の法律が適用されますが、住民基本台帳への登録は対象外です。そのため、自治体側が居住実態を把握できないという問題が生じるのです。
だから、基地外でアメリカ軍関係者に飼われている闘犬については、その飼育環境がどうであるかはもちろん、実数さえも把握できないという状況になっているわけです」(同前)
ピットブルは飼い主にとってはかわいい“家族”の一員でも、赤の他人にとっては鋭い牙を備えた猛犬であることに変わりはない。飼育上のモラルを守ることは、愛犬家を名乗る上では必要条件であることを忘れてはならない。
