松井秀喜さん(右)を見送る三奈さん
声や話し方はアナウンサーとは異なる独特な特徴
三奈さんのことをわれわれが知ったのは1991年、彼女がテレビ朝日に入社したときですよね。
研修中、同期の皆さんとランチで高級中華を食べたとき、三奈さんが全員分のお会計を支払ったという豪快なエピソードを聞いたことがあります。円卓2つ分を埋めるような人数分だったそうで、同期の皆さんは「さすがは長嶋家のお嬢さん」とおおいに驚いたといいます。
研修後はスポーツ局で記者として活動。『ニュースステーション』のスポーツコーナーでは連日、取材報告をしていらしたものです。
よく覚えているのは、メインキャスターの久米宏さん(80才)が上半身を横に90度傾け、満面の笑みを浮かべながら三奈さんのしゃべりを聞いていたこと。小中高をデンフタ(田園調布雙葉)で過ごしたお嬢様であり、「ミスター」ゆずりの天真爛漫な三奈さんがプロ野球をはじめスポーツ全般について語るのですから、どんな目線で何を話すのか、久米さんならずとも多くの視聴者は興味津々だったと思います。
しかも三奈さんの声や話し方にはアナウンサーとは異なる独特な特徴があって、彼女の笑顔とともに、視聴者の耳に目に焼き付いていたものです。
夏の「全国高等学校野球選手権大会」のダイジェスト番組『熱闘甲子園』のメインキャスターを15年間務めていらしたときも、年々、自身との年齢差が広がる高校球児をリスペクトしながら真摯に伝えていらしたのも忘れられません。