驚異的なスタミナで阪急のエースを張った米田氏(共同通信)
「今は生活保護を受けとるからね。家内と2人で月に7万円ほど。家賃を払っていないから、どうにか生活はできている」
──そこまで苦しいとは。
「ずっと生活保護を受けていなかったからね。知り合いから受けたらいいと勧められて、手続きをしたら簡単だった。今は医療費もタダやね」
取材場所の飲食店では、チューハイではなくハイボールを注文した。
「家では夜に缶チューハイを1本飲んでる。たまに昼間にもう1本かな」
──米田さんほどの実績がありながら、引退後に生活がままならないとは。
「昔は給料も安かった。ボクは最高で(年俸)1580万円。成績を残しても“前例がない”と上げてくれなかった。阪急で一番冷遇されていたんちゃうかな。昔はプロ野球独自の年金制度があったんや。月10万円ほどやったけど、財源が尽きて廃止。酷い話やと思う」
ほろ酔い加減のところで他に万引きをしたことがないかを再度尋ねると、「2回ぐらい(捕まったことが)あったかな……。それで20万円もの罰金になった」と明かした。
──その内容は。
「同じや。ちょっとお金が足りなくて、400円ぐらいのもんやった」
──他に万引きして見つからなかったことは。
「う~ん……(と黙る)」
──みんなに心配を掛けたというのは。
「それはあるね。こんな騒ぎになるとは思わなかったから……」
(第3回に続く)
※週刊ポスト2025年7月18・25日号